世の中にはびこる「履き違え事故」の実態
今回の「やらない理由」テーマはこちらである。
「仕事ができると褒められるのはいいが、仕事が増えるのは嫌」
世の中には多くの「履き違え事故」というのがある、ただ忙しく疲弊しているだけの状態を「充実」と勘違いしたり、フリーハグならぬフリーファックだと思われていることを「モテ」と思い込んだりすることだ。上記のテーマも典型的履き違え事故だ、仕事というのはデキる奴に集中するものではない。
「頼みやすい奴」「断らない奴」に行くものなのだ。そもそも「仕事が多い」のと「仕事がデキる」はほぼ無関係であり、もちろん他人からもそう思われていない。
わかりやすく言うと、現在私は、昼間会社員をしながら、全部ベッドの上で見ている妄想でなければ漫画、コラムの連載を10本ぐらいやっている気がする。文章を書くときは、ボキャブラリーの限りを尽くそうとするが、現実世界での語彙は「疲れた」以外消滅した。片や『ONE PIECE』の作者は連載が1本。
もちろんあのクオリティで週刊連載をするのは私以上にハードだと思うが、少なくとも一つのことに集中できている状態だ。つまりこの両者、どちらの方が人気があり、世間から認められ、ついでに儲(もう)かっているか? という話なのである。
いまだかつてなくたとえが美しくキマってしまったので、もうこれ以上書きたくない気持ちでいっぱいだが、大任を多く任されるというならまだしも、雑務が山ほどやってくるというなら「まずいけど、早くて安い」というような牛丼以下の見くびられ方をしている可能性が高い。
しかも、そういう仕事が集中するようになるといつか手に負えなくなるか、忙しくて大きなミスをしてしまうだろう、するとどうなるか「仕事がデキない奴」と言われてしまうのだ。想像するだけでメンがヘラッヘラになってくる。だったら、雑務さえ任せてもらえないボンクラ扱いの方がまだマシだ。しかし、我々は褒められたい、褒められたすぎる、褒められたいあまり、今吐いた。