日本のエンターテイメントがアジア進出で成功するには
大谷 こないだタイに行ってきたんです。DJダイノジの海外初公演をバンコクでやってきたんですよ。
柴 おお! でも、なんでまたタイでやろうと思ったんですか?
大谷 これはね、誘われたから(笑)。もともと海外でパフォーマンスをやりたかったんだけど「JAPAN EXPO THAILAND 2017」関連のカルチャーイベントに出演してみないかって話があって。メインはピコ太郎だったんですけど。
柴 へえ、 ピコ太郎、タイでも人気なんですね。
大谷 すごいですよ。もう大スター。だってタイの人に「日本でも有名なの?」って言われたくらいだから。
柴 ははは! タイ人だと思われているんだ。
大谷 バンコクの人は自分の国から火がついたって思ってますからね。街中にピコ太郎の写真が貼ってあるくらい。
柴 で、DJダイノジはどうだったんですか?
大谷 それがね、当日になって会場に行こうと思ったらピンポンってベルが鳴って、扉をガチャって開けたら、ぼんちきよしさんっていう僕の先輩芸人が甲冑の姿で登場して。僕と大地さんが腰を抜かしちゃって。ぼんちきよしさん、よしもとの「住みますアジア芸人」っていう企画でタイに住んでるんですよ。で、普段から甲冑を着て街を歩いてるんですって。
柴 ちゃんと向こうでも芸人だと思われてるんですか?
大谷 それが、街の中でもとんでもない人気なんですよ。たまにテレビに出るくらいなんですけど、みんなにめっちゃ写真を撮られてる。
で、そのまま会場に入って準備して。そうしたらアップアップガールズ(仮)もそのイベントに出るっていうから、30分のステージの一番盛り上がるところで「前前前世」をかけるから、その時にステージに出てきてくれって伝えてたんです。
柴 ほうほう。
大谷 で、僕らの前がTEMPURA KIDZだったんですよ。彼らがかなり人気だったんだけど、終わった瞬間に人が全然いなくなって。最初は「ヤバい」と思ったんですけど、僕らも精一杯やってたら、どんどん人が集まってきて。
柴 おお、すごい。
大谷 特にやっぱり反応がいいのが『創聖のアクエリオン』とかのアニソンでしたね。現場のテンションがだんだん上がってきて、一番盛り上がった時に『前前前世』をかけたんです。そこでアプガにもステージに出てもらったら、今まで遠巻きで見ていたタイの人たちが押し寄せてきて、その後ろからアプガのファンと日本のアイドルオタも押し寄せてきて、民族大移動みたいになって。
で、みんなで「前前前世」を歌って、大地さんはエアギターをやって、アプガは踊って、最高潮になった時に、甲冑を着たぼんちきよしさんがステージに上がってきちゃって。
柴 はははは、情報量が多すぎて闇鍋みたいになってる。
大谷 違う「前前前世」になっちゃった(笑)でも、やってみて思ったのは余裕でいけるって感じですね。
柴 タイでもいけると。
大谷 言葉が通じないお客さんでも余裕で盛り上げられますね。ただマネタイズは無理だなと思いました。
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