人工知能(AI)研究者でファイナルファンタジーの制作者の三宅陽一郎さんと最近お知り合いになりました。昨年末に発売されたファイナルファンタジーシリーズ最新作XVは、かなり進んだAIで敵のモンスターや仲間が行動するのです。
そのAIを製作する過程の話があまりにもおもしろくて何度もお食事したり、番組にも出演してもらいました。三宅さんの夢はAIに意識を持たせること。はたしてそんなことが可能なんでしょうか?
今回は三宅さんから聞いたAIのお話から、僕的にたどり着いた考えを書きたいと思います。
人工知能ができないこと、人間がするしかないことが明確に見えました。と同時にそれに気づこうとしないと、まずいのでは、というお話です。
題して“人間はできのわるい人工知能なのか?”
人工知能にも、修行が必要である
人工知能(AI)というと、すごいコンピューターがすごい計算をして知能を形成していると思われがちなのですが、実はそのコンピューターが行う計算とは、結局のところ0と1のデジタル情報の四則演算なので、かなりシンプルなものです。
ではなぜ最近AIが進んだかというと、つまるところコンピューターにどれだけ深く学習させるか(ディープラーニング)という技術でイノベーションが起こったそうです。
しかし、AIを発達させようと思ったら、結局は解析方法自体よりも、AIに学習させるための長い時間かけて集めたビッグデータを所有しているか、そして技術者の試行錯誤という手間をかけて解析させることが鍵、なのだそうです。
つまり、GoogleやAmazonなどのデータを保持している企業が有利であり、開発もなかなか泥臭い現場だということです。
例えば、囲碁の世界では、人間よりAIの方が強くなっていますが、あれは囲碁の盤面が白と黒だから、画像解析がしやすかったのだそうです。そしてどの局面ならこうする、という大量の棋譜のデータがあった。
それをAIにたくさんラーニングさせて、人間に勝るようになったのだというのです。
つまりAIがいくらすごいといっても、実は体験と時間が必要であり、つまりめちゃくちゃアナログ的な修行的期間がないと人工知能も育たないということを意味します。
まあ、人間の場合は時間をかけてもワールドチャンピオンクラスに成長するのは、一握りでしょうが、時間と手間暇が必要という点については、結局、人間の育成と大差ないのです。
そんな十分に手間と時間をかけたAIが今後どんどん登場することで、社会や生活がまもなく激変します。それは新たなワクワクする未来が待っている分、実は不安に思っている人も多いのではないでしょうか?
「AIに自分の仕事が取って代わられる」
映画とかでみたような、そんな潜在的な恐怖があるのだと思います。
では、そんなAIが発達する未来で、僕たちはどんな生き方をすればいいのでしょうか?
人工知能が人間にかなわないわけ
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