「小売店には、そこに店員を置くだけで売り上げが劇的に上がる場所がある」──。経験則だけでは決してわからない「売り上げアップの法則」を見つけたのは、日立製作所が開発したビッグデータの解析技術だった。
日立は2007年、名刺型センサー(写真)を用いた行動計測システム「ビジネス顕微鏡」を開発した。この名刺大の機械には赤外線センサーと加速度センサーが付いている。これを首からぶら下げているだけで、店内に設置された固定式センサーがその動きを検知し、「どこで誰と何時間会っていたか」や「どれだけ活発に動いたか」が計測できる。
赤外線センサーと加速度センサーが付いた名刺型の機器。これを首からぶら下げて行動データを収集する
これまでに人間の行動を延べ100万日にわたって計測し、集まったデータは実に10兆個。まさにビッグデータだ。このノウハウを用いて、日立と日立ハイテクノロジーズは昨年10月、行動データとPOSデータなどから、企業の業績向上策を発見するデータ解析技術を開発した。
冒頭の解析結果が判明したのは昨夏の実証実験においてだった。
あるホームセンターの従業員と約300人の客の協力を得て、10日間の調査を行った。
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