バンコクから世界が広がっていく!
丸山ゴンザレス(以下、丸山) アジア旅行においては、僕はやっぱりバンコクに始まりバンコクに終わる感じがしますね。どこかひとつ都市を挙げろって言われたら、絶対通るじゃないですか、あそこ。バンコク1回も行ったことなくてずっと東南アジアを旅している人ってまあ見たことないですよね。お二人もバンコクは相当行かれているんじゃないですか? 他の国と比べたときに。
山田静(以下、山田) そうですね。
丸山 室橋さんなんて住んでましたしね。
室橋裕和(以下、室橋) 10年間住んでましたからね、バンコクに。この前パスポートが全ページ埋まっちゃったんですけど、タイの出入国と労働許可証だとかビザだとか、そういうものでびっしりでした。
丸山 女子目線で見るとどうですか、タイは。
山田 わたしも回数で言うと、やっぱり一番行った都市はバンコクですね。
丸山 なんやかんや言って通りますし、通れるなら通っておこうかなっていうのはありますね。
室橋 インドあたり行っても、別に寄らなくてもいいのに、帰りにちょっとバンコク寄るか、みたいな感じになりますよね(笑)。やっぱり居心地がいいですよ。
丸山 そうですよね。食事も気を遣わなくていいし、治安面もそうだし、それこそ街なかでゆっくり過ごすこともできるし。台北もそんな感じですけど。
山田 何回行っても旅人気分が味わえるっていうこともありますしね。
丸山 いつも新しい発見がありますよね。
山田 怪しいところもあればおしゃれなところもあって。両極端なんだけど、なんとなくうまくまとまって1個の街になっているっていう。
丸山 そうなんですよね。いい感じでカオスがきちんとまとまっているんで。僕は大好きな街のひとつですね。どこかひとつ選べって言われたら、他の都市も魅力的で競るんですけどやっぱりバンコクは外せないかな。でもバンコクって旅先でもあるけど、最初の一歩、旅の入口でもあって、そこから世界が広がっていくっていう場所でもあると思っていますね。
バンコク。日本語で書かれた看板も目立つ
室橋 そう言えば、丸山さんと初めて会ったのもバンコクの居酒屋でしたよね(笑)。
丸山 日本人同士が出くわしてもあまり嫌な街じゃないというのはありますよね。
山田 それはあるかも。
丸山 他の国や街とかだと日本人に会いたくないなあというのがあるんですけど、バンコクではそうじゃないというか。
室橋 バンコクはもう日本の生活圏ですもんね。
丸山 それこそトンローのあたりに行けばほぼ日本ですからね。その意味ではすぐに馴染むことができて、異国情緒も味わえるというのは大きな魅力だと思います。
女子はタイの「ゴーゴーバー」へ行くべし!?
山田 わたしが遊びでやっている「ひとり旅活性化委員会」っていうサークルがありまして。これは、ひとり旅が好きな女子の集まりなんです。その企画で年に1回くらいバンコクで現地集合して、なかなか一人じゃ行けないところにみんなで行こうっていうのがありまして。バンコクの夜のお店で「ゴーゴーバー」っていうのがありますよね、それの男性版で「ゴーゴーボーイズ」っていうのがあって。男子たちがセクシーなダンスを踊ったりするところなんですけど、そのなかで「マッチョバー」っていうのがあるんですよ。マッチョしかいないバー(笑)。そこにみんなで行ったことがあって、大変な盛り上がりを見せたことがありました(笑)。
丸山 そういうとこに行くのはいいですよね。
マッチョバーの店内風景
山田 基本みんな一人でどこでも行けちゃうんですけど、さすがにマッチョバーに一人で行けるかといったらちょっとハードルが高くて…。パンツ一丁のマッチョたちが店内にみっしりいるので。そこに一人でぽつんと座ってもどうしていいんだかわからない(笑)。女子10人くらいでバッと行くのがちょうどいい気がします。
そのときは、もともとマッチョバーが好きな子たちもいたので、「タイ人は抹茶のキットカットがとにかく好きらしいよ」っていう情報を事前に聞きつけてきたんです。「マッチョにマッチャだ!」とか言って(笑)、ドン・キホーテでキットカットの抹茶味を箱買いしてそれを持っていったんです。マッチョバーではマッチョたちのショータイムみたいのがあるんですけれども、ここでは言えないような結構ハードな色々が…丸山さんもご存知だと思うんですけど(笑)。
丸山 はい、僕も遊びに行ったことがあります。
山田 そのなかで特に頑張った人に「頑張ったで賞」みたいな感じで抹茶のキットカットをプレゼント。そしたらよりいっそう頑張ってくれて、WIN-WINみたいな感じで、店内に幸せオーラが充満してましたね(笑)。
丸山 なかなか女性の海外での夜遊びって語られないじゃないですか。でも本当は知りたいところなんですよね。行くと、楽しくなって自分が振り切れることがありますよね。
山田 そうですね。夜遊びって女性も興味があって、テレビとかワイドショーとかで紹介されたりするのを見て「なんか行ってみてもいいかも」って思ったりするんですよ。実際に行ってみて危ないかっていったら危なくないんですよね。普通に他の観光客もいっぱいいますしね。
室橋 僕がバンコクに住んでいたときなんか、日本から女の子の友達が遊びに来るたびに、全員が全員そういう場所に行きたがりますよ(笑)。
山田 ですよね(笑)。
室橋 一人では行けないし、別に男を買うわけじゃないんだけども、ちょっと見てみたいという。だから何度も案内してたら、ゲイだと勘違いされて僕がさらわれたりとかね(笑)。
マッチョバーの店内に貼られていたポスター
丸山 2週間前にもバンコクに行ってまして、マッチョバーの彼らの勃起の謎を解き明かそうとして頑張ってみたんですけど。
室橋 ショーではあそこを鉄柱に打ちつけたりしますもんね。痛くないのかなと思うんですよ。
山田 あれはお薬を飲んで…。
丸山 いや、飲むんじゃなくて、あそこに直接注射するんです。お医者さんとかが来てやってるのかなと思ったら、ほんとタイっぽくて好きなんですけど、必ず店に一人ぐらい注射が上手いやつがいるんですよね(笑)。
室橋 そいつが打ってくれるんですね。どういう薬なんですか?
丸山 それは企業秘密らしくて。そこをお願いして聞いたら、一応お医者さんが出しているものがメインらしいんですよ。ただ、不自然な大きさにあそこが肥大化しているときも見るので、そこはまだ踏み込めない領域ですね。
山田 今後の調査が期待されるという(笑)。
丸山 次はもっと実態を調べてきますので(笑)。
次回「本当に死ぬまでに行っておきたい世界遺産とは?」は5/4更新予定。
(構成︰荒井未央)
(左)室橋裕和さん、(中央)山田静さん、(右)丸山ゴンザレスさん 撮影◉竹内洋平
山田静(やまだ・しずか)
旅好きがこうじて旅を仕事にしたライター・編集者、そして女性のひとり旅を元気にしようと結成した旅好き女子サークル「ひとり旅活性化委員会」主宰。京都の町家旅館「楽遊」のフロントも預かっている。
室橋裕和(むろはし・ひろかず)大学卒業後ライターとしての活動を開始。1998年『バックパッカーズ読本』で執筆&編集を担当。その後、『週刊文春』記者を経て、2004年にタイ移住。現地発の日本語情報誌の編集記者として活動後、2014年、日本帰国。フリーランスとして活動中。