日本の「おもてなし」が「傲慢」にならないために

アメリカ在住の作家・渡辺由佳里さんは、白人の夫を持ち、アメリカ流のマナーの教えを義母に教えられてきました。今回は自宅で開いたホームパーティーでのすれ違いをきっかけに、ローカル常識の「マナー」と相手に向ける「おもてなし」の在り方について考えます。

前回は、新幹線でのシートの倒し方について、常識やマナーの限界を考えた。
日本は“おもてなし”の心を自負しているけれど、もしかすると、それが「ローカルな常識の押しつけ」になっていることはないだろうか?

先日、開いたホームパーティーで、それを考える体験があったので、今回は「おもてなし」がすれ違う状況について語りたい。

ボストンの自宅で、50人ほどが集まる「ご近所パーティ」を主催することになった。そこで、赤ワインと白ワインをそれぞれ1ケース買い、当日は朝から料理をした。娘からの強いアドバイスで、手作りだけでなく、冷凍食品も利用して負担を軽くすることにした。

ちょうど(アメリカ人の)夫の母親が訪問しており、調理中の私にメニューを尋ねた。説明している途中で、彼女が遮った。

義母「なぜ、ベジタリアン料理なんか作るの?」
私「野菜しか食べられない人もいますから」
義母「あなたは、親切すぎるわ」
私「特に親切というわけじゃないですけど」
義母「私ならしないわね。こっちが出したものを食べたくないなら、食べなければいいのよ。それぞれのわがままに合わせる必要はないわ
私「わがまま、というわけではなく、アレルギーや宗教的な理由で食べられない人もいますから」
義母「それなら、食べなければすむこと。そういう人のことまで考えてあげる必要はないと私は思う

私は心中ため息をついた。

頑固者の義母の考え

義母とのこの種の会話は初めてではない。

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アメリカはいつも夢見ている

渡辺由佳里

「アメリカンドリーム」という言葉、最近聞かなくなったと感じる人も多いのではないでしょうか。本連載では、アメリカ在住で幅広い分野で活動されている渡辺由佳里さんが、そんなアメリカンドリームが現在どんなかたちで実現しているのか、を始めとした...もっと読む

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コメント

26260909 とても共感。いつも心配りできる人でいたいものですね。→ 5ヶ月前 replyretweetfavorite

YukariWatanabe ここに書いたことと、通じることですね😄> https://t.co/cQJVNERhhc https://t.co/UAZPp3anbP 5ヶ月前 replyretweetfavorite

tinycrop 大変示唆に富んだ記事。居心地のよい「日本スゴイ!」の礼賛に安住していると、重要なことを見失ってしまう。 5ヶ月前 replyretweetfavorite

cnomiya2009 耳に痛い、けれど大切な視点だと思う。メモ。→ 5ヶ月前 replyretweetfavorite