​ワガママな私たちに結婚は向いてない

前回は、「結婚することが幸せ」や「女性は若いほうが価値がある」など、固定化された「女の幸せ」に苦しめられずに生きるためにはどうすべきか、というお話でした。今回はそれと関連して、中村さんがある人から聞いた、とても新鮮な「幸せ」の考え方をご紹介します。

前回、東京タラレバ娘のドラマ最終回を観て、女性たちは 「女の幸せ」や「ごく普通の幸せ」とやらを追うのではなく、人それぞれに違う「自分の幸せ」を追い求めるべきだ、と考えたことをお伝えしました。

最近、この「自分の幸せ」や、それを求めて不安な気持ちで生きることについて、ある方とお話をする機会がありました。その時に言われたことが、これまでにない視点でハッとしてしまったので、今回、みなさんにもご紹介しようと思います。

私とは違う時代を生きてきた人の言葉

そのある人とは、ここ数年パリで仲良くさせてもらっている日本人女性のAさんです。ご本人にこれまで詳しい年齢は聞いたことはないけれど、おそらく70代。在仏歴は軽く40年以上。つい最近フランス人の旦那さまを亡くしたばかりで、二人の子供と何人かのお孫さんがいることは知っています。

二人で並ぶと、私が彼女を見下ろす形になってしまうほど小柄で、目をぎゅっとつぶって思いっきり笑うところがチャーミング。白髪というよりグレーに近いショートカットで、いつもカラフルな洋服を着ています。上品なのに気取らず、とっても話しやすい方。

そんなAさんとパリのある講演会で再会し、いつものように「元気にしてる?」と声をかけてもらいました。 そこで私は、仕事の近況報告をし、「今の若い人たちは、ものすごい不安を抱えて生きている人が多いんですよ」という話を切り出したのです。すると、彼女は……。

Aさん 若い人で不安を持たずに生きる人は信用できないわよ。それはなんにも考えてないってことだからね。不安を持って生きるということは当然のことだと思うわ。 そして今は、私が若かった頃と違って、なんでも手に入る「飽食の時代」でしょ。モノが溢れた環境で、今の若い人たちが精神的なことで悩んだり、不安があるのはよくわかるし、かわいそうだと思うわね。

そして、彼女が急に思い出したように話してくれたのは、最近、家を掃除していたら大量に発見したという昔の手紙についてでした。

Aさん そういや、こないだね。うちを掃除してたら、(両手を広げて)こ〜んな大量の手紙が見つかってね。昔、日本にいる親と手紙でやりとりしたときのものだったのよ。

私も若い頃は色々と不安なことがたくさんあって、親に手紙で相談してたのよね。親も一生懸命私を助けようとして、何度も何度も手紙を書き続けてくれてたんだなぁって、色々思い出しちゃったわ。

年をとると不安は減る

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パリジャン十色

中村綾花

“花の都”と称され、雑誌やテレビでもその優雅なイメージが特集されることの多い、フランスの首都・パリ。パンやスイーツはおいしいし、ファッションは最先端だし、歴史ある建物たちも美しいし、住んでいる人もおしゃれな人ばかり……と思いきや、パリ...もっと読む

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コメント

yuko88551 〔コラム〕ワガママな私たちに結婚は向いてない https://t.co/iEgK1JEhRq 8ヶ月前 replyretweetfavorite

kaeth0925 ワガママだから向いてないのでなくけどいつの時代だろうが、他人に幸せにしてもらうと言うマインドは幸せになるには非効率だし確率も低いってだけだと思う 8ヶ月前 replyretweetfavorite

yuko88551 〔コラム〕ワガママな私たちに結婚は向いてない https://t.co/iEgK1JEhRq 8ヶ月前 replyretweetfavorite

moe_sugano ワガママな私たちに結婚は向いてない|中村綾花 @ayakahan | 8ヶ月前 replyretweetfavorite