第10回】ビッグデータから個をつかむ—購入前の顧客動向を検知データから未来を予測する

顧客に関する大量のデータを入手・分析することによって、売れる仕組みをつくる。いわゆる「ビッグデータ」の活用だ。コンピュータパワーの向上も手伝い、かつては考えられなかった高度なことができるようになっている。

 新しいゴルフクラブが欲しくなるタイミングとはどんなときか。

 必ずしもメーカーが新商品を発表したときではないだろう。仕事や家族のことで頭がいっぱいのところに「新商品が発売されました!」というメールが届いても、まったく心に響かない。度が過ぎればむしろ、迷惑メールとして処分されてしまうかもしれない。

 ところが、久しぶりのラウンドなのにドライバーの出来が散々だった土曜日の夕方、同様のメールを受け取ったらどうか。急に購入スイッチが入る可能性は大きい。

 ならば、そのタイミングをいかにして検知するか。

 例えば、ある日を境に頻繁に商品比較サイトでドライバーについて調べ始めた人。このタイミングで新商品を薦めるメールを送れば、おそらく読んでくれるだろう。

 新商品発売時のような企業側の都合で消費者とのコミュニケーションを図るのではなく、消費者固有の“イベント”のタイミングを狙って接触を図る。ゴルフ場予約やゴルフ用品の通信販売など、ゴルフに関わるサービスを総合的に展開するゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は、この1月からそんな新しいマーケティングに乗り出した。

ゴルフ関連のサービスを総合的に扱う日本最大級のゴルフポータルサイト「ゴルフダイジェスト・オンライン」

 GDOが持つ顧客属性情報とウェブサイト上の行動情報などさまざまな情報を組み合わせることで、ユーザーごとにパーソナライズ化された広告配信を行うのだ。例えば、直近3カ月以内に「ゴルフクラブ」で検索したことのある20代女性にのみ、レディース用ゴルフクラブを薦める広告を配信するといった具合である。

 マーケティング精度の向上は、販売増とコスト削減の両面に効く。中澤伸也・GDOマーケティング部長は「マーケティングの精度が上がり、高いROI(投下資本利益率)を実現できれば、マーケティングコスト全体を下げることができる。削ったコストは商品や基本サービスの向上に使える」と説明する。テスト段階では従来の手法と比べて8倍の効果を挙げたという。本格運用は、これからだ。

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t_take_uchi 分かりやすい  5年以上前 replyretweetfavorite