錬金

荒稼ぎする人間は老いる!?

俺はタイムスリップした1988年から現代に戻った、消えてしまったはずの由里子を連れて。2017年のオッサンこと堀井健史は俺を騙したことでまんまと億万長者になっていた。堀井はいまや経済界の若きトップとして地位と名声をほしいままにしているのだが、でも様子がおかしい。その頬はこけ、髪も白くなっていた。とにかく俺はいまから堀井を追及する。
ホリエモンが贈る、感動のタイムスリップ青春小説!話題沸騰の書籍『錬金』を特別掲載いたします

第6章 想定外

2017

 2017年に戻って、1週間ほど経った。

 俺はニュースやネットの情報をむさぼるように読み、「現代」に何が起きていたのか、詳しく把握した。

 得た情報をもとに数日間、必死に考えた。

 そして、俺や由里子の背反をさらに凌駕する、オッサンが仕掛けた精巧な計画のすべてを理解することができたのだ。

 オッサンは俺を、マンダリン・カールトンホテルのラウンジに呼び出した。

 経済界の若きトップとして、アジア最高レベルのラグジュアリーホテルに、ほとんど住んでいる状態だという。

 オッサンは広いテーブル席に、先に座って待っていた。

「お疲れさま、優作」

「別に疲れてないっすよ」

 と言って、オッサンの前にどっかりと座った。

 オッサンのすぐ横には、うつむき加減の由里子が小さくなって座っていた。

 俺は最初、兄妹グルで俺を騙したのだと思っていた。

 しかし今回の計画は、由里子に確認すると、オッサンの単独のものだったという。由里子もある意味で、オッサンに利用された立場だったのだ。

 由里子が不安げに、先に口を開いた。

「優作、私……」

 俺は手で遮った。

「君はとりあえず黙ってて。答え合わせを、先に済ませたい」

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錬金 (文芸書)

堀江貴文
徳間書店
2017-02-21

この連載について

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錬金

堀江貴文

PC市場で世界の頂点に君臨しつつあった日本は、あと一歩のところでなぜアメリカに後れを取ったのか? IT革命前夜、世界を変えた常識破りのカリスマたちの痛快な、失敗と成功――。その全真相をノベライズ。 「心が自由になれば、金も権力も...もっと読む

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