貯金だけじゃ不十分? 社会人が着実にお金を増やしていくには

老後にお金に困らない生活を送るためには、若いうちからしっかり働き、無駄な支出をおさえることが大切ですが、それだけではお金は十分に貯まりません。では、どうしたらいいのでしょうか? そこでおすすめしたいのが、会社勤めをしながら着実にお金を増やしていく手段のひとつ、投資信託です。投資信託の基本から活用方法、具体的な商品の紹介まで、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんに教えていただきました。全8回にわたってお届けします。(毎週水曜日に更新予定)

そもそも投資信託って何?

投資信託というのは、たくさんの投資家から集めたお金をひとつにまとめて、運用のプロが株式や債券などに投資をする金融商品のことをいいます。1人ひとりが出すお金はそれほど多くなくても、まとまって数百億円、数千億円単位になると、個人ではアクセスしにくい地域や国に投資したり、たくさんの株式や債券などに投資したりすることができるわけです。

投信は、運用の専門家が、投信という「器」に株式や債券などを入れた「詰め合わせ(パッケージ)」というふうにイメージしてください。たとえば日本企業の株式に投資する投信をひとつ買うと、そこに入っている何十社、あるいは数百社の株にまとめて投資することができます。さらに、先進国の株式に幅広く投資をする投信を購入すれば、アップルやマイクロソフト、ネスレといった世界的に有名な企業にも自分のお金が投資されることになります。

そう、投信というツール(道具)を使えば、日本国内だけでなく、世界的な企業の成長にのっていくことが可能なのです。専門用語で「国際分散投資」といいます。

投信は、何億円もの資産を持つ富裕層でなくても、気軽に購入することができるのが大きなメリットです。というのも、私たち投資家は一般に1万円から商品を購入することができるからです。さらに、毎月一定額を購入していく「積み立て」というしくみも普及していて、毎月500円とか、1000円といった少額ではじめられる証券会社や銀行なども登場しています。投信をはじめるハードルはかなり低くなっているのです。

投資信託の中身はさまざま

ひと口に投資信託といっても、その中身は多岐にわたります。というのも、投信というのはあくまでも「器」であって、その中にはさまざまなモノを入れることができるからです。具体的には、株式や債券、不動産などです。

たとえば、トヨタ自動車や楽天といった日本企業の株だけが入った詰め合わせ(パッケージ)もあれば、アップルやマイクロソフト、ネスレといった海外の先進国の企業の株だけが入った商品もあります。また、パッケージには株式だけではなく、国債(国が発行する債券)や社債(会社が発行する債券)といった債券が入っていたり、不動産やコモディティ(商品)などが入っていたりするものもあります。

さらに、株だけ、債券だけというように1種類だけではなく、「株と債券」「株と債券と不動産」というように、いくつかの種類がまとめて入っているものもあるのです。 このように、中身によって特徴や性格はまったく違い、投資信託の数は今や6000本以上もあります(2017年1月末時点)。

「作る」「売る」「管理する」という3つの会社が関わっている

ここで投資信託のしくみについて簡単に説明しておきましょう。投資信託には3つの会社が関わっています。

まずは、投資信託をつくって運用する「運用会社」です。投資信託は運用のプロにお金を預けて、自分の代わりに運用してもらうというもの。商品によって「こういう詰め合わせをつくろう」という方針が決められています。運用会社は投信の作り手ですから、3者の中ではいちばん重要な役割を担っています。「◯◯アセットマネジメント」や「◯◯投信」といった名前がついていることが多いです。

次に、投信を売っているのが「販売会社」です。具体的には、証券会社や銀行などです。私たちは販売会社を通して、投資信託を購入します(一部、運用会社が直接販売している=チョクハンの投信もあります)。

そして、資産の管理を行うのが「信託銀行」です。私たち投資家から集めた信託財産を自社の財産とは区別して保管・管理などしているため(分別管理といいます)、投信に関わる3者のうち、いずれが破たんしても財産が保護されるしくみになっています。

短期で儲けるものではなく、長期で運用するもの

投資というと、自分で会社を選んでその株式を売買する株式投資や、FX(外国為替証拠金取引)などを思いうかべるかたが多いのですが、自分で銘柄を選んだり、売買タイミングをはかったりして、儲け続けるのは容易ではありません(プロでも当て続けるのはむずかしいと言われています)。ましてや、日中頑張って仕事をしたり、趣味やプライベートにいそしんだりするかたにとっては、投資に費やせる時間やお金は限られるはずです。

その点、投資信託なら、少額から分散投資ができるので、仮に投資している会社のひとつが倒産したとしても投資したお金がゼロになる心配はありません。そう考えると、資産形成において投資信託を活用するのはとても合理的です。 ただし、投信は一攫千金をねらったり、短期的に資産を何倍とか、何十倍に増やしたりという目的には向きません。あくまでも10年、20年、30年といったスパンで長期的にコツコツお金を増やしていきたいという人に向いた商品です。

前述の通り、投信は今や6000本以上もあります。なかには、高度な金融技術を使った複雑なもの、手数料がとても高いものなどもありますが、みなさんが資産形成・活用を考えるときには、低コストで、シンプルなものを選びましょう(良い投信の選びかたは、この連載でお伝えしていきます)。

それでは、今回のポイントをまとめておきましょう。

●仕事をしながら資産形成をするなら、投資信託というツールが便利
●投資信託を使うと世界の株式や債券、不動産などに分散投資できる
●一般に1万円から買うことができ、積み立てだと500円や1000円から始められる

次回は、「投資って危なくないの?」と思っている方に向けて、投資はこわくないということを説明していきたいと思います。





お金のことを語るのは、なんとなくカッコ悪いかも?という世の中の風向きを、
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この連載について

コツコツお金を増やす投資信託入門

竹川美奈子

老後にお金に困らない生活を送るためには、若いうちからしっかり働き、無駄な支出をおさえることが大切ですが、それだけではお金は十分に貯まりません。では、どうしたらいいのでしょうか? そこでおすすめしたいのが、会社勤めをしながら着実にお金を...もっと読む

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コメント

asagoaroe https://t.co/guRdElUPiG 12日前 replyretweetfavorite

peroperoJackson わかりやすいなーって思ったら竹川さんじゃないっすか #スマートニュース 13日前 replyretweetfavorite

shiso_tsukune 「日中頑張って仕事をしたり、趣味やプライベートにいそしんだりするかたにとっては、投資に費やせる時間やお金は限られるはずです」 13日前 replyretweetfavorite

OsamubinLaden 投資信託か… 市場が細ってるから、新規顧客獲得努力の一環かな  13日前 replyretweetfavorite