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こんにちは、きのコです。
今回は、私の故郷である福岡で2月におこなわれた「【LOVE3.0】ポリアモリーってなんですか?」というイベントにゲストとしてお招きいただいた時の様子をお伝えしたいと思います。
ちなみに【LOVE3.0】とは、「社会や価値観が大きく変わるなか、祖父母世代(1.0)、父母世代(2.0)と恋愛観・結婚観も変わってきているし変わって当然。では私たち自身で恋愛・結婚スタイルをバージョンアップさせていこう」という意味が込められたタイトルです。
主催は、福岡でイベントのコーディネーターやコラムニストとして活動している須藤美香さん。彼女との出会いは偶然でした。2016年の九州レインボープライド※に、「ポリアモリー」のプラカードを持って単独で参加していた私。
※LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が、差別や偏見に晒されることなく、より自分らしく生きていくことのできる社会の実現に向けたイベント。
その時「きのコさんですか?」と声をかけて下さったのが、須藤さんだったのです。
私のインタビュー記事(「「ポリアモリー」に今気になること、ぜんぶきいてみた 【苦悩の半生、複数人との交際、嫉妬、破局、そして愛】」)を読んで、私をご存知だったとのこと。ポリアモリーについて語り合い意気投合した私たちは、トントン拍子に「福岡でポリアモリーのイベントをやろう!」という話になりました。
「自称ポリアモリー」問題
当日の参加者は15人ほど。年齢もジェンダーもセクシュアリティもさまざま、ポリアモリーという言葉を初めて聞く方もいれば、自らがポリアモリー当事者だという方もいました。
イベントは大きく「全員でのフリートーク」と「2つのグループに分かれてのテーマトーク」に分かれて話をしました。フリートークでは、主に参加者の方からの質問に私が答え、その内容をもとに「ポリアモリーを性教育的にどう説明するか?」など、テーマトークでお互いの考えを話し合うというかたちでした。
次から次へと話が盛り上がるなか、参加者の一人がこんなモヤモヤについて質問してくれました。
「ポリアモリーが広まると、浮気や二股をしておいてバレると『自分はポリアモリーだから』と開き直る、いわば『自称ポリアモリー』みたいな人が出てくるのでは?」
それに対して私は、
「ポリアモリーであるかどうかは、LGBTと同じように、『自分で自分をどう捉えたいか』という『自認』に任せたい。だから、ポリアモリーを名乗って人を傷つける恋愛をする人に『あなたは本当のポリアモリーではない』とか『ポリアモリーはかくあるべきだ』などと言いたくはない。言えるのは『恋愛の形は多様だが、人を傷つける恋愛やセックスであってはならない』ということではないか」
という話をしました。これは非常によくいただく質問なのですが、ポリアモリーについて考えるうえで最も難しい問題の一つではないかと思っています。
「ねばならなさ」の呪い
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