社長の車に轢かれかけて辞めそうになる
竹中夏海(以下、竹中) たとえばアイドル活動に悩んだりつまづいたりすることがあるとするでしょ。同じ内容の悩みだとしても、その壁に当たるのが17歳と25歳では女性アイドルは意味合いが全然違うんじゃないかと思うんだよね。10代なら「もうひと踏ん張り!」って自分を鼓舞できても、20代半ばだと「そろそろ潮時……。」って結論に至る子は少なくないんじゃないかなぁって。そのあたり、当事者たちはどう思ってるのかを聞きたくて、2人をお呼びしました。
岩村捺未(PASSPO☆。以下、岩村) お答えしましょう!
会場 おお!(拍手)
日笠麗奈(以下、日笠) 頼もしい!
岩村 当事者ですから。当事者のわしは、辞めるとかそういう迷いはもう超えましたね、完全に。
竹中 そうだねぇ。なちゅが辞める辞めないで悩んでたのはもう少し前だったね。
岩村 お給料が少なかったから、バイトしたいみたいな。先生に言ったよね。
竹中 一回目は21~22歳の時かな。ちょうどそのくらいの歳って、同年代の子たちが就職する頃だから、自分の将来を見つめ直して不安になりやすいよね。で、25歳くらいになると今度は周りが結婚したり子ども産んだりし始めて、また自分の未来を憂いたりする。
岩村 最近地元の子たちがそう! 家庭持つ子ふえた!
竹中 そのときはダウナーになってて、親友のナオミ(安斉奈緒美)さんの話さえ聞けない状態だったから「先生はなし聞いてあげて」って託されたんだったな。で、なちゅがどれだけPASSPO☆に必要かって話をひたすらした。代官山のサブウェイで。
岩村 恥ずかしいいいい! まだパンをトーストできない時代の代官山サブウェイ!
竹中 「なちゅがいなくなることによっていろんなメンバー間のバランスが取れなくなるんだよ」って具体的に例も挙げて。「だからほんとにあんた必要なんだよ」って。
岩村 泣いちゃう。思い出してきた。
竹中 あとはお金の話をすると、確かにバイトで立派に稼げる子もいるけど、なちゅはフリーターになったところでそのバイト続かないでしょ、って。
会場 (笑)
竹中 バイトしないで、結局部屋でうだうだする自分想像できない?って言ったら、「うん。想像できる」って。それならPASSPO☆やっときな、と。それから「ほとんど社会に出たことないからまだ分からないかもしれないけど、こんなにやってて楽しいことってそう見つからないよ」って言った。悩みはあれど「ライブは楽しい」って気持ちはなちゅの中で揺らいでなかったから。で、その後「キャンディー・ルーム」の振り入れに一緒に向かいました。
岩村 やっと心が晴れて行った。振り入れ前に「みんな、ごめん」って。
竹中 メンバーは「よかったよぉ~」って言ってたね。
岩村 あと最近もなんかなかったっけ? それも先生に相談した。
竹中 社長に轢かれかけてた。
岩村 あーそうだ! アハハハ!
竹中 それは、2年くらい前かな。なちゅが最初マネージャーさんとあんな(玉井杏奈)と飲んでたんだよね。その後別の友だちに呼ばれてはしごして。それですごい酔っ払ったらしく、千鳥足で帰ってたら……これ、なちゅは記憶ほとんどないんだよね?
岩村 ないない。
竹中 車に轢かれそうになったんだって。その車を運転してたのが、PASSPO☆を作った社長だったという。
一同 えー!
岩村 しかも外も一瞬しか歩いてないんだよね。お店出てすぐタクシー乗ったから。その一瞬の二車線くらいの間で、轢かれかけたみたい。
竹中 社長に。
会場 (笑)
竹中 当たり前だけどめちゃくちゃ怒られて。「もう辞めていい!」って激おこで、それをメンバー全員が「なちゅはPASSPO☆にぜったい必要なんです」って説得しに行った。これに関しては明らかに社長が正論なんだけど、やっぱりなちゅが落ち込んじゃってね。だけどそれは本当に、神様がラストチャンスをくれたんだよ。社長に轢かれかけたことによって「こういうことが二度とないようにしなさい」っていう。
岩村 わしが悪いんだけど、その後ちょっと病んだよね。先生に相談したよね。
竹中 「だから前にも言ったけどなちゅは本当にPASSPO☆に必要でね??」ってもう一回。数年前に話したことを再度。実はその時につぶやいたツイートが未だにリツイートされるんだよね。
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