鹿野 護(映像作家 / アートディレクター)→小川洋子(小説家) Vol.4「作品と作家はどう関係しているのですか?」

今回のインタビュアー鹿野 護さんは、ヴィジュアルデザインスタジオWOWに所属し、映像制作やインターフェースデザインを手がける傍ら、サイト「未来派図画工作」や展覧会などにおいて自らの作品を発表しているトップクリエイター。そんな彼がインタビューするのは、91年に『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞し、その後も『博士の愛した数式』をはじめ数々のヒット作を世に送り出し、昨年12年ぶりとなる書き下ろし長編小説『ことり』を発表した小川洋子さん。「映像」「言葉」「物語」「科学」などさまざまなキーワードが飛び出す刺激的な対話になりました。

作品と作家はどう関係しているのですか?

Q. 小川さんの小説は、物語の流れとディテールの描写のバランスがスゴく心地良く感じられます。そういうバランスは意識されていますか?

小川:それは持って生まれたリズムみたいなものなんだと思います。ただ、例えば締切が近いとか、体力的にくたびれているとか、こちら側の世界の事情には左右されないないように気をつけています。物語の中の登場人物には彼らの事情があるので(笑)。これは作家という仕事のありがたいところだと思うのですが、自分が本当に合わせなくてはいけないのは、登場人物の都合だけなんです。

Q. 登場人物たちのリズムが、その物語のリズムになっているんですね。



小川
:そうですね。『ことり』にしてもお兄さんと小父さんの間には、淡々とした独特のリズムがあるんですよね。例えば、これはチェスの世界の時間の流れ方とは違うし、自分の書きたい世界ごとにリズムやスピードというのがあって、それに合わせていく感じです。

Q. 例えば、締切が近いというのは、物理的に最も大きなこちら側の事情で(笑)、僕もそれによって作品の制作に影響が出ることがあります。小川さんは、締切に対してはどう考えていますか?

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