ディープラーニング」で人工知能が急速に発展する

「機械学習」という技術によって、進行を遂げた人工知能。今回は、「機械学習」の一分野である「深層学習(ディープラーニング)」という技術を解説していただきます。山本一成さんによると、このディープラーニング、70年以上の歴史があるにもかかわらず、最近になるまでダメだと思われていたとか。それはいったいどういうことでしょうか。

 いま間違いなく人工知能ブームが到来しています。このブームの立役者は間違いなく機械学習です。それまでの「人が機械自身に教え込む」という作業では限界があったのを、機械学習によって、機械自身が知識を獲得するようになったことが大きな転換点でした。

 皆さんが普通に使っているインターネットにおける検索も機械学習の結果です。写真を撮るときに顔を認識してくれる機能もやはり機械学習の成果です。もはや機械学習は一部のIT企業、製造企業において、なくてはならないものになっています。

 現代において、人工知能と機械学習はかなり近い意味を指すようにもなっているのです。

 そして機械学習の分野では、ここ数年で大きなブレイクスルーが何度もありました。その中心にあったのが、「深層学習(ディープラーニング)」です。

 グーグル傘下のディープマインド社が作った囲碁プログラム「アルファ碁」が世界トップクラスの囲碁棋士、イ・セドルを破ったことは、皆さんの記憶にも新しいところだと思います。アルファ碁は当時のほかのコンピュータ囲碁プログラムのレベルを遥かに超える力を持っていました。その力の源泉には、機械学習の一手法であるディープラーニングが大きく関係していたのです。

 今や世界のコンピュータ科学者たちはディープラーニングの研究に没頭しており、毎日のように新しい技術や手法が発表されています。正直なところ、私自身も今のディープラーニングの進化を全部フォローはできていない状態です。

 おそらく人工知能ブームは、ディープラーニングの潜在能力の限界に到達するまで継続するでしょう。そして今のところ、その潜在能力がどれくらいあるかはよくわかっていないのです。

 ちなみに、たまに誤解をされるのですが、ポナンザにはディープラーニングは使われていません。ディープラーニングと同じ機械学習の技術の1つである、ロジスティック回帰という手法を中心に構成されています。

 ロジスティック回帰というのは、乱暴に言えば正確性よりも速さや軽さに優れた手法なのですが、1秒間に何百万もの局面を読む必要がある将棋には今のところ最適なのです(一方、ディープラーニングは画像の判別に最強の力を発揮します)。

 もちろんこの原稿を書いた時点でのポナンザの話ですので、今後はどうなるかわかりませんが……。

図2-1 ディープラーニングは「機械学習」の一種

ディープラーニングのしくみと歴史
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
人工知能はどのようにして「名人」を超えるのか?

山本一成

2016年、電王戦で5戦全勝した将棋AIポナンザ。開発者である山本一成さんは「知能とは何か?」「知性とは何か?」ということを何度も自問することになったそうです。そうすることで、逆に人間の知能がクリアに見えてきたと言います。この思考の結...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

deep_labman これは必読! 3ヶ月前 replyretweetfavorite

wain_CGP @sakuramaru7777 原稿を書いた時点では使って無いそうですよ。 https://t.co/3a1llW2pW6 3ヶ月前 replyretweetfavorite

AI_m_lab 参考にしたい情報ですね ▼|人工知能はどのようにして「名人」を… https://t.co/seWeoNQ76F #人工知能 3ヶ月前 replyretweetfavorite

msk3345 {コラム} 3ヶ月前 replyretweetfavorite