瀬戸内の空は女を旅へと誘った 〜ユウカ、小豆島へ〜

高畑と池崎と二人の男の間で揺れる百鳥ユウカさん(34)。でも、いまは男について何も考えたくない百鳥ユウカさんは、プチ逃避行に。

夕日を浴びて黄金色に輝く小高い丘に一本の木があった。ユウカは夕日を眺めながら一人でそこに佇んでいる。誰を待っているのか、誰かを置いて去ってきたのかわからない。

ただ、ユウカはその木の下にいた。

丘の下から誰かがやってくる。おそらく男。なぜか顔に黒い霞(かすみ)がかっていて、どんな顔をしているのかわからない。やがてその男がユウカに近づき、肩に手をかけようとした瞬間、ユウカは確信した。

この男のこと私は……たぶん知っている。顔も見えないのに心はこの瞬間を待っていたように高揚している。 心の中を吹き荒れていた風はいつのまにか吹き止んでいた。

夢から醒めた。

一週間前にみた夢を今朝また見た。

高畑とデートに行った日から、何度か同じ夢をみる。

あの日の高畑がユウカに残した名残りは、夢という形になって何度もユウカを揺さぶっていた。夢にでてきた男が誰かはわからないが、心の中はいま風が吹き荒れているのをユウカは感じていた。

男と会いさえしなければ女の心は平安なのに、男がいるから女の心には風が吹く。男も女も自分の納得できるパートナーを見つけたら風は止むのだろうか。それともパートナーを見つけた後も、風が吹くことはあるのだろうか。

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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コメント

maihama_ddr あー続き気になる~!!! 3年弱前 replyretweetfavorite

hitomi_nekosan おもしろい!おもしろい。 3年弱前 replyretweetfavorite

poko303 姫路の人ってホンマにこんな感じ 3年弱前 replyretweetfavorite