6つのポイントを守る
スーツは、言わばユニバーサル・ユニフォーム。ビジネスの世界において、どんな国にも共通している制服と言えるでしょう。スーツを正しく着こなすことができれば、ビジネスにおいて世界のどこへ行っても恥をかくことはありません。
そんなスーツを選ぶポイントは6つあります。この6点をすべて外さないことが大切なのですが、一言でいえば「体型にジャストフィットしていること」が鉄則。春になると身長が伸びることを見越して、ひとまわりもふたまわりも大きなサイズの制服に「着られている」中学一年生を見かけますね。中学生だと微笑ましいですが、社会人がサイズを誤れば仕事のスキルを疑われかねません。今、その体型に合っているかが肝要です。
もちろんスーツにも流行りはあります。時代の空気を取り入れて、現代テイストに洗練されたスーツを着こなすことも素敵です。ただその前に、基本的なセオリーを踏襲できているでしょうか。
歌舞伎役者の故・十八代目中村勘三郎が座右の銘にしていた、こういう格言があります。「型を身につけなければ型破りにならない。型がなければ型無し」
スポーツも学問もファッションも、まずは基本を身につけてから応用が効いてくるんですよね。
それでは「スーツ選びの6つの常識」を順番に学んでいきましょう。
【1】肩が合っているか
お手元にスーツのジャケットはありますか。そちらに腕を通して、肩のところの生地を親指と人差し指でつまんでみてください。どうでしょう、きちんとつまむことができましたか。
うまくつまむことができなかったら、そのジャケットはサイズが小さいです。可動域も少なく、これまで肩を上げるのが窮屈だったのではないでしょうか。
理想的なのは、指でつまんだ部分が1センチくらいの長さになること。それ以上つまめてしまったら、今度は逆にサイズが大きく、だぶついている印象になります。中学一年生のように「服に着られている」ように見えるかもしれません。
その人の肩の大きさやラインに合っていて、可動域も確保できて、初めてジャストフィットと言えます。その目安は「指でつまんで1センチ」です。
【2】身頃が合っているか
身頃とは衣服における襟や袖を除いた中央部のことで、前面を「前身頃」、背面を「後ろ身頃」と呼びます。その身頃が体に合っているかどうかで、印象がずいぶん異なります。
確認したいのは前身頃と胸の間。ここに空間がありすぎると、ガバガバしていて不格好です。反対に、胸にぴったりすぎてもパツンパツンな印象を与えてしまいます。(実際、着ていると窮屈なはずです)
そこで目安になるのは「拳ひとつ分」。一番下以外のボタンを留めたとき、前身頃と胸との間に上から手を差し入れて、拳ひとつ分が入るくらいの空間が空いているのが理想的です。これなら肩と同じで可動域を保ちつつ、体のラインにぴったり合っているように見えます。
【3】着丈が合っているか
一般的に着丈とは、後ろ襟の下縫い目から裾まで延ばした直線距離のこと。スーツの理想的な着丈は、じく後ろ襟の下縫い目からお尻の下部までの直線距離を指します。
というのも、スーツの着丈のセオリーは「お尻がきれいに隠れること」だからです。このお尻というのがポイントで、着丈が短く、お尻の一部がちらりと覗くようだと寸足らずの印象に。逆に着丈が長く、裾がお尻よりもさらに下まで延びていると脚が短く見えてしまいます。
短すぎず、長すぎず、お尻がちょうど隠れる長さを追求しましょう。胴体の長さには個人差がありますから、自分にとってベストな着丈のスーツを見つけられるといいですね。
【4】袖の長さが合っているか
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