江上 剛(えがみ・ごう)/作家
1954年生まれ。77年早稲田大学卒業後、旧第一勧業銀行(現みずほ銀)入行。97年「第一勧銀総会屋事件」で混乱収拾に尽力。2003年退行。最新刊は『庶務行員 多加賀主水が許さない』(祥伝社)。
「かつての銀行員は理不尽なことも不平や不満も、全てをのみ込んでやってきた。それは銀行が行員に対して、揺り籠から墓場まで、安定したライフプランが立てられるという見返りを保証していたからだ。大手都市銀行でも、大多数の人は支店で日々同じ仕事の繰り返し。見返りを得るために、ひたすら忍耐の日々を送っていた」