FOK46—フォークオーケン46歳
【第14回】がんばったがダメ

ついにFOK46としての活動を始めるオーケンは、初舞台で憧れの石川浩司さんと共演。会場の期待を一心に背負いステージに上がったオーケンだが、なぜか会場は思いもよらぬ方向に……。カオスなスタートを切ることになるFOK46の行方に注目!

 「がんばったがダメ」

 それから約一年が過ぎた。その間には東日本大震災もあった。コード譜を作ってくれた彼女とは、3.11の頃にはまだ会っていたように思う。余震の続く日々の中、「『FOK46』と名乗って弾き語りのライブを始めようと思う」と僕が言い出し、彼女にポカ〜ンとされた記憶があるからだ。

 「…オーケンがAKB48に入るの?」
 「じゃなくて、FOK46…フォーク・オーケン46歳って意味さ。弾き語りの時の限定名称だよ」
 「ふ〜ん…FOK46ね…センターは誰?」
 「い、いや、一人だから。いやあのね、AKB48の女の子たちをテレビで見ていてね、彼女たちは、アイドルという過酷な仕事によって、諦念とか挫折とかなんだとか、なんとなく日々をボンヤリ生きてる人々のかわりに成長するためのっつーか、まあそうだね簡単に言って、人が現状から、一歩踏み出すための通過儀礼ってやつだよ。それを今リアルで毎日繰り返していると思うんだ、少女たちが。オレはもう46歳のおっさんだけれど、やっぱりさ、今の自分からまた一歩踏み出したいと思う部分では、一緒だと思うわけ、少女たちと」
 「…オーケン、まゆゆだね」
 「…い、いや、まゆゆではないけどさ、まゆゆ的な意気込みというかさ。ま、単純に『大槻ケンヂ(弾き語り)』でやるより最初はインパクトもあるじゃない。それで毎回、弾き語りやピンで活動しているミュージシャンをゲストにお招きして、アドバイス、いや、薫陶をちょうだいできたらうれしいかと思っていてね」
 「たとえばどなたをお招きするの?」

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小説 FOK46—フォークオーケン46歳

大槻ケンヂ

30年以上音楽活動を続けてきた、ロックミュージシャンの大槻ケンヂ。楽器演奏と歌を歌うのを同時にできないという理由で、ボーカルに徹してきた彼が、2012年、ギターの弾き語りでのソロツアーを始めた。その名も『FOK46(フォークオーケン4...もっと読む

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