山内マリコ(やまうちまりこ)は、日本の小説家、エッセイスト。富山県出身。貴族ではない。

山内マリコさんの小説『あのこは貴族』刊行を記念したトークイベントに、速水健朗さんとおぐらりゅうじさんが出演。東京と地方、上流階級と一般庶民といった小説に絡めたテーマだけでなく、エッセイストとしても活躍されてきた山内さんの「肩書き」への悩みにも迫ります。

「小説家」は肩書きを何にすればいいの?

速水健朗(以下、速水)&おぐらりゅうじ(以下、おぐら) 新刊『あのこは貴族』発売おめでとうございます!

山内マリコ(以下、山内) ありがとうございます!

おぐら 本題へ入る前に、山内さんと僕らの関係を簡単に説明しましょうか。

速水 俺は「団地団」という、団地好きが集まったユニットで一緒にイベントをやったりしている。

山内 もともと私、速水さんのファンで。団地団の第一回のイベントも、普通にお客さんとして行ったんですよ。

おぐら それはデビュー作の『ここは退屈迎えに来て』が出る前の話?

山内 そう。そのデビュー作も、速水さんの『ケータイ小説的。』という名著に大変影響を受けております。

速水 そういうの、どんどん言って(笑)。

山内 そして、おぐせん、あ、おぐらさんは……。

おぐら おぐせんでいいよ(笑)。経緯は省略しますが、僕のあだ名です。

山内 おぐせんは、テレビブロスの「エッコラ・チチモ! 〜猫って長い〜」という、美術展に行ってそのレポートを書く連載の担当編集者さんなんです。まだデビュー間もないころに声をかけていただいて。

おぐら 連載がはじまったのは2013年の4月ですね。その前に、初めて仕事をお願いしたのが2012年の終わりかな。ブロスで作家の柚木麻子さんを特集したときに、コメントをもらいました。

速水 『ここは退屈迎えに来て』が出たのって2012年?

山内 そうです。2012年の8月。2008年に新潮社の「R-18文学賞」で読者賞をいただいたのですが、そこからいろいろあって、デビューするまでに長い時間がかかってしまいました……。

おぐら だから正式な小説家デビューは31歳のときなんですよね。僕も転職して編集者になったのが30歳を過ぎてからで、山内さんとは1980年生まれの同い年だし、よく「くすぶっていた20代のころの貯蓄で仕事してるよね」って話してます。

速水 そんな山内さんも、いまや売れっ子。つい最近だと、小説『アズミ・ハルコは行方不明』が、蒼井優主演、松居大悟監督で映画化。長編が映画化って、もう作家としてはピークだよ。

おぐら ピークは言い過ぎでしょう。

山内 そういえば、その映画の宣伝で、TBSラジオの『伊集院光とラジオと』に出たんですけど。

おぐら え! 伊集院光のラジオに出た!? それはピークだ!

速水 映画化よりそっちのほうが評価高いんだ(笑)。

山内 そこで「作家でエッセイストの山内マリコさん」って紹介されて。私、エッセイストって紹介されることが多いんですよ。前に自分のWikipediaを見たら「作家・エッセイスト」って書いてあったから、そっか、エッセイ書いたらエッセイストって名乗れるのかと思って、「作家・エッセイスト」ってプロフィールに書いたりしてたので、半分は私のせいなんですけど、いつの間にか「作家」がなくなっちゃって、えー!みたいな。

速水 肩書き問題ね。俺も「ラジオパーソナリティ」って言われることある。

おぐら 「小説家」とは名乗らないんですか?

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あのこは貴族

山内 マリコ
集英社
2016-11-25

この連載について

初回を読む
すべてのニュースは賞味期限切れである

おぐらりゅうじ /速水健朗

政治、経済、文化、食など、さまざまジャンルを独特な視線で切り取る速水健朗さんと、『TVブロス』編集部員としてとがった企画を打ち出し、テレビの放送作家としても活躍するおぐらりゅうじさん。この気鋭のふたりのライターが、世の中のニュースを好...もっと読む

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gotanda6 ちょっと賞味期限は切れてますが、去年の12/3のイベントの鼎談です。 10ヶ月前 replyretweetfavorite