2017年型の多幸感とは
大谷ノブ彦(以下、大谷) 今回はね、まず「2017年型多幸感」っていう話をしたいんです。
柴那典(以下、柴) え、2017年型多幸感? なんですかそれ?
大谷 こないだ、すごい光景を目撃したんですよ。僕らダイノジでBAYCAMPに出演した時のことなんですけど。
柴 毎年冬に川崎のクラブチッタでやってるオールナイトのロックフェスですよね。
大谷 そこで終盤にとんでもないのが出てきて全部持っていったんですよ。
柴 え、誰だろう?
大谷 ハバナイ! 知ってます? Have a Nice Day!っていう。
柴 あー、ノーチェックでした。
大谷 何がすごいって、お客さんが笑顔で身体をぶつけ合って踊るんですよ。とにかく興奮しちゃって、すさまじい盛り上がりになってて。サウンドはハードコア・エレクトロなんですけど、「幸せすぎて泣く」みたいなムードが生まれてて。
柴 彼ら、何者なんですか?
大谷 もともとは新宿LOFTを中心に東京アンダーグラウンドシーンで「SCUM PARK」というパーティーをやってきた奴らなんですよ。
柴 ふむふむ、プロフィールには「リーダーの浅見北斗を中心に活動するジャンク・ディスコ・バンド」ってありますね。NATURE DANGER GANGとかおやすみホログラムと一緒に活躍してきた、と。
大谷 去年にはその浅見北斗さんが仕掛けたフリーパーティーの様子が、カンパニー松尾さんプロデュースで『モッシュピット』というドキュメンタリー映画にもなってて。
柴 すごい。お客さんが「ライブ中の突き指防止のために手袋してる」って言ってる。これは確かにハードコアだ。
大谷 そうやってずっと作り上げてきたパーティーのスタイルを、「BAYCAMP」のクラブチッタという大箱でやったら、ダイブがあるわ、モッシュがあるわ、ジャンプがあるわのすさまじい盛り上がりになって。
柴 うわー、これは現場に行かないと何もわからないやつですね。