晩酌歳時記

第八回・キャベツ

たくさん飲む上にたくさん食べるからスゴイ、二十歳の男の子にそうホメられました。まんざらでもない佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。ビール(麦酒)は夏の季語ですが、花粉や黄砂その他諸々でいがらっぽい喉の消毒にもビールが必須! ですよね。

 居酒屋、蕎麦屋、焼肉屋……好きな飲食店は数多くあれど、キャベツのおかわり自由、とんかつ屋のそんなところが大好きです。野菜も食べなさいという母親的な視点が嬉しいというか、庶民のごちそうの豊かさを感じるというか、たいへん好もしい。しかしながら実際、私はあまりその「自由」を行使したことがありません。
 野菜が嫌いなわけじゃない、遠慮しているのでもない。強いて理由を挙げるとすれば、A型だから。カレーライスのカレーとご飯を最後まで均等に食べ進めるように、トンカツ一口に対してどれだけの量が適切か、無意識に計算しながら食べてしまう。お皿には常にトンカツと同配分のキャベツが残されているため、キャベツ担当の店員さんも私のところは「まだあるね」とばかりに素通り。ほんとのところ「ちょっと足りないかも」と思うこともありますが、新たにどれだけの量を盛られるか、とんかつが足りなくなる危険はないのか、そんなこんなで結局おかわりしそびれてしまうのです。

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晩酌歳時記

佐藤和歌子

季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。

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