佐藤栞里が笑顔笑顔笑顔笑顔

今回「ワダアキ考」で取り上げるのは、モデルの佐藤栞里。好感度抜群で、いまやテレビに引っ張りだこの彼女、いつも笑顔で、愚痴一つ言う気配がありません。このポジティブさが受けているのでしょうが、ファンキー加藤にナオト・インティライミと、ポジティブ批評をしてきた武田砂鉄さんは彼女の笑顔をどう読み解くのでしょうか?

いつでもどこでも笑っている

「愚痴」という言葉を辞書でひいたら、「言っても仕方のないことを言って嘆くこと」(広辞苑)とあり、辞書ってヤツはまったく人の気持ちをわかっちゃいない、と愚痴りたくなった。人生の大半を愚痴をこぼしながら過ごしてきたが、これらのすべてが「言っても仕方のないこと」であり、そうではない「言って仕方のあること」ばかり言っていたとしたら、一体何が好転したというのだろうか。東京の夜景を独り占めするようなタワーマンションに住めたのだろうか。私は夜景を独占したくなんかない。塵も積もれば山となるように、愚痴も積もれば意見になると信じているし、むしろ、自分の言うことは「仕方ある」と自覚し続けている話者なんて、信頼に値しないと思う。

『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』のサブMCなど、この数年であちこち見かけるようになった佐藤栞里は、コラえることなく、いつでもどこでも笑っている。絶対に愚痴らない。関根麻里や小島瑠璃子が技術として培ってきた「その場の最適解を100%の精度で述べる」という技量を持っているわけでもなく、とにかく笑顔で貫き通す。こじるり的技術は、極まると「姑息」と変換されてバッシングの素材として発芽するが、笑顔というのは技術とはされない。当人サイドもその利点を自覚しているようで、自著『ちゃまてばこ』のオビには「いい子そう、性格よさそう—それほんと?」とある。世間からの評定をひとまずそのように記せるのは、それが「姑息」に変換されないことを知っているからではないか。なかなか示せる態度ではない。

笑顔とハードワーク
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河出書房新社
2017-01-25

この連載について

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

masaki_desuyo_ 西山パイセンが紹介してくれた文読んだら、「自分はポジティブだって連呼しているひと絶対ネガティブ」って前つぶやいた内容ドンピシャのやつきて震えた。 2年以上前 replyretweetfavorite

nktu_pdu ポジティブネガティブが絡むと最高だよなあ 2年以上前 replyretweetfavorite

restart20141201 "ポジティブの上塗りでネガティブを必死に消すのって、超ポジティブと言えるのかどうか。言えない、と私は思うのだ" 2年以上前 replyretweetfavorite