『シュガシュガルーン』は安野モヨコが2003年から2007年にかけて少女漫画雑誌「なかよし」(講談社)に連載していた魔法少女マンガ。2005年にはアニメ化、海外でも放送され、かわいらしいキャラクターが織りなす世界に子どもから大人、海外にも多くのファンを持つ。
今回のファッションショーでは、読者に夢と憧れを抱かせる魅力、かわいらしさをもった『シュガシュガルーン』のファッションが現実となった。安野モヨコ本人、雑誌「なかよし」(講談社)協力のもと、実際のマンガ、イラストを用いた映像ショーも披露。作品の世界観と現実世界、ファッションショーが融合する空間の様子、3月20日から行なわれる展覧会へのこだわりを、ファッションショー当日の写真を交えた担当者の方へのミニインタビューとともにお伝えする。
ー構想から1年、『シュガシュガルーン』の世界を京都でー
ー今回、このようなすばらしい空間に立ち会わせていただき、ありがとうございました。ファッションショーを企画、準備する上でどのような想いがあったのでしょうか?
子どもから大人までたくさんいらっしゃるファンの皆さんが、『シュガシュガルーン』の世界を肌身で感じてもらえ、楽しんでいただけるプロジェクトにしよう!とスタッフ一同常に心に留め、準備を進めてまいりました。
一番のこだわり、気を付けたところは、安野先生の『シュガシュガルーン』の世界観を大切にし、壊さないようにすることです。その中で、服を制作してくださった地元企業さんや一般公募のデザイナーさんと一緒にアイディアを出し合い、一緒にファッションショーを作ってきました。
—地元企業や一般公募の方とのコラボレーション、本当にすばらしい試みですね。
京都ならではのプロジェクトになるよう、京都らしさ溢れる着物などの和柄を用いたブランドを発信するPagongさんと、シュガシュガルーンのイメージに近い、ポップとエレガントさを併せ持つRomanceさんを制作企業に選ばせていただきました。
両社の担当の方が安野先生の作品を愛読されてきた若い女性で、一般公募のデザイナーさんとともに、大好きな作品への愛情、熱意に溢れた力作がそろったと思います。
また、安野先生にも気に入っていただけ、なによりの励みとなりました。
デザイナーの一般公募など、初めての試みも多く、スケジュール進行は非常に難しかったですし、本番が近づくにつれ、間に合うかドキドキ。
ですが、企業の方も一般の方も、通常業務と平行しながらで忙しい中、期日通りにすばらしい作品を完成させてくださいました。
みなさんのご協力でスケジュール通りファッションショーを開催でき、展覧会の準備も進められ、改めて『シュガシュガルーン』という作品の力を感じました。
ーショーの演出もとてもかっこよく、映像とイラスト、ファッションを同時に楽しめました。
こちらは準備の時間が押し、演出担当の方は寝不足の日々だったと思います。そんな中、安野先生サイドや雑誌「なかよし」の皆様がショーを盛り上げようと、イラストや、映像データを素早くお貸しくださり、最後まで演出にこだわることができました。
そしてショーの当日、安野先生から今まで見たことがないくらい大きく『シュガシュガルーン』らしいゴシックでガーリーなお花が届き一同大感激!
当日背中を押して頂いたとともに、展示へと気が引き締まりました。
ー展覧会ではファッションショーのために制作された服や、連載当時の貴重な資料も展示されるそうですね。
ショーのコンセプトは「ショコラとバニラ 魔法少女のワードローブ」、展示はその作品を飾る「ショコラとバニラのクローゼット」になっています。
コンセプトに沿うよう、ギャラリーをふたりのクローゼット部屋に見立て、マネキン、ボディトルソーのほか、ラックにハンガーで服がかかっているような展示方法にしました。
クローゼットということで鏡も飾り、什器はイメージに合ったデコラティブなものを使用。『なかよし』で「シュガシュガルーン」が連載されていた時の付録など18点、当時の『なかよし』本誌を飾る陳列タワーもお揃いです。
壁面には単行本では白黒でしか見られない、『なかよし』連載時のカラー扉絵22点を飾り、壁紙の色、パネルの額の模様まで作品の雰囲気になるべく近くなるよう作り込んでいます。
ファッションショー用に制作された服、企業作品28点、一般作品5点もすべて展示され、モニターで当日の様子が流されますので、モデルさんが実際に着て歩く様子もご覧いただけます。
展覧会は6月まで続きますので、少しでも多くのみなさまに『シュガシュガルーン』の世界観を体感していただければと思います。
また、京都国際マンガミュージアムは、およそ30万点のマンガを所蔵、手にとって読めるマンガも約5万冊置いてあり、開館時間内(10時~18時)は読み放題。グラウンドで寝転がって読書もでき、気持ちのよい季節だと思いますので、ぜひお越し下さい!
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展覧会は京都国際マンガミュージアムにて
3月20日(水・祝)より6月9日(日)まで開催。
詳しくは公式ホームページをご覧ください。
http://www.kyotomm.jp/event/exh/kyotomagic_2013.php