第9回】野林徳行(レッグス顧問)インタビュー

『超現場主義ですごい結果を出す とことん観察マーケティング』の著者である野林徳行・レッグス顧問が、リクルートやローソンでの成功体験から「顧客の実像を知る方法」を伝授する。

「誰」と「なぜ」を繰り返し
現場の顧客像を浮かべていく

1964年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート、ローソンなどを経て現職。著書『超現場主義ですごい結果を出す とことん観察マーケティング』(ビジネス社)。

 リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の特集は、「セレブ婚特集」よりも、「絶対に失敗しない結婚式」というほうが売れます。

 それはターゲットが単に「結婚する人」ではなくて、初めての結婚式に憧れと不安を抱え、失敗したくないけれど一つくらいはオリジナリティを出したいと思っている人だからです。求めているのは「式の段取り」であり「マニュアル」なのです。それに夢を与えようと「乙女すぎるドライバーセット」や「可愛すぎる洗濯ネット」を付録に付けるわけです。

 「顧客を知らなければならない」というのは誰もがわかっていることでしょう。ですが、本当にその実像に迫っているでしょうか。そこで大事なのが現場を観察することなのです。

 リクルート時代、全体の70%がコンビニエンスストアで売れる中古車情報誌の陳列状況を見たとき、その90%が下段に、ロゴが逆向きに置かれていました。そこで飛び出し付録の文字を顧客に向けました。書店よりも優先したわけです。就職情報誌のリニューアルでは、工事現場で働く人たち約600人に焼き肉店で会い、本音を探りました。ローソンに在籍していたときは、地元で客足の増えたスーパーの動向を知ろうと24時間立ち続けたこともあります。

 観察を繰り返して顧客のことがよくわかる人となれば取引先も上司もあなたを認めざるを得ません。顧客の実像を捉えた上で提案した事業なら失敗することもないでしょう。データの活用も大事ですが、統計上の円グラフからだけでは顧客は見えてきません。現場で顧客を感じる、想像できることが重要なのです。

 常に「誰を幸せにしたいのか」を考えるとよいでしょう。「誰」と「なぜ」を繰り返すことで実像を絞っていけます。相手に確認するのには「顧客の顔が浮かびますか」と聞くのも手です。(談)

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売れる仕組み 集客の秘密【2】~“個客”を知り尽くせ

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「われわれの事業を知るための第一歩は、顧客は誰かという問いを発することである。次に、顧客はどこにいるか、顧客はいかに買うか、顧客にいかに到達するかを問うことである」と、ピーター・F・ドラッカーは『現代の経営』の中で説いた。インターネッ...もっと読む

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