第8回】経験による仮説をデータで検証—JR駅構内の自販機を改革 売り上げ50%増を達成

JR駅構内の飲料自販機事業を手がけるJR東日本ウォータービジネスは、06年の会社設立以降、11年度の自販機販売売り上げは265億円と50%以上も伸ばしている。その秘密はやはり、顧客の利用実態をとことん知り、利用シーンに即した商品を提供したことに尽きる。

 自動販売機は駅の端にまとめて置くほうが存在感がある──。JR駅構内の飲料自販機事業を手がけるJR東日本ウォータービジネスでは、かつて当然のようにそう考えていた。だがデータを見るとどうも様子が違うことに気付いた。

 2006年冬にJR新橋駅ホームでは工事のため自販機をはずした(図2‐2参照)。周囲の自販機の売り上げが増えるかと思いきや、そうはならなかった。09年夏に新たな自販機を1台増やしたときは「1台分の売り上げが増えるのではないか」と期待したものの今度は近くの自販機と“競合”し、2台で20%しか増えなかった。

 実はこうした状況は他でも散見されていたため「利用者は遠くにある自販機まで買いに行かない」とみた。階段や障害物ごとに狭い商圏ができていた。つまり、駅の端にまとめて自販機を置いては駄目だとわかったのだ。現場の経験と勘に頼っていた運営を、データ活用に変えるという「自販機改革」を起こしたとも言えよう。

 こうした取り組みが功を奏し、同社は06年の会社設立以降、11年度の自販機販売売り上げは265億円と50%以上も伸ばしている。自販機自体は5%しか増えていないため、1台の販売効率を高めたのである。

 秘密はやはり、顧客の利用実態をとことん知り、利用シーンに即した商品を提供したことに尽きる。

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go_wankanepon @Tetorate こういうことかもしれません。https://t.co/72CpnnQGyE 約5年前 replyretweetfavorite