高橋一生は解析されない状態を保つ

最近、急激に人気が高まっている高橋一生が今回のテーマです。演技を評価されることの多い高橋ですが、「芝居がうまい」とはどういう人を指すのでしょうか? 高橋が出演しているドラマ『カルテット』と、今期の月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』との比較などから、高橋の演技論を考えます。本日cakesでスタートした益田ミリさんとの共著『せいのめざめ』の試し読みもあわせてお楽しみください。

「役作りをしてません」を私たちは理解できるのか

高橋一生はある役を演じるにあたって、とかく役作りをしないそうなのだが、なぜかといえば、「(その役に)ジャンプしちゃうと、その人のことを意識しすぎて。本人、生きている時、そんな自分のこと分析できないので。たぶん役もきっとそうだろうと思うと、割とそのまま地続きで自分でいって、本(脚本)に書かれていることを忠実にやっていくということをやれば、別の人に見えるんじゃないかなと思って。結局、肉体は自分なんで」(『A-Studio』1月20日放送)と言う。多くの人は彼の見解に納得するだろう。しかし、なぜ私や貴方は納得できたのだろう。なぜって、私たちは日頃、誰かを演じてなんかいないのだから。「役作り」ってとってもデリケートな作業であるはずだが、視聴者はかなり大雑把にシェアしている。

私たちは、どうすれば、高橋一生の「役作りをしない」を可視化・明文化することができるのか。少々残酷な結果になろうとも比較対象を設定する必要があって、月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』で初の演技に臨んだflumpoolのボーカル・山村隆太を観てみれば、「役にジャンプして、その人のことを意識しすぎている」状態がわかる。ドラマ初挑戦で「結婚したくない訳あり男・人気絶頂イケメンアナウンサー」(ドラマHPより)を演じるとなれば、その役柄を意識しまくることから始めるはず。「恋する相手と結婚したい女・専業主婦が夢の優秀なOL」(同前)を演じる主演の西内まりやも、意識しまくる演技を貫いている。「私たち、演じています!」という演技の集積を見させられると、「演じてんじゃねーよ!」という感想が漏れるのだが、その感想は理不尽なのだろうか。

ラテ欄を見ただけで犯人が分かる
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

益田ミリさんとの共著が発売されました!!

せいのめざめ

--- - 益田 ミリ - 武田 砂鉄
河出書房新社
2017-01-25

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

kareigohan42 おお!この頃の高橋一生言及あった! "たとえば『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で演じていた、主人公が働く引越し屋の同僚を演じた時に、最初は取材で「すげーいやなヤツですね」と言われたけど、…" https://t.co/TfjQrEi6G7 約1年前 replyretweetfavorite

wash203 「いかに語られないようにするか」 2年弱前 replyretweetfavorite

nktu_pdu 高橋一生だ 2年弱前 replyretweetfavorite

kyoko_o https://t.co/7RDkyLfvlc 2年弱前 replyretweetfavorite