パリジャンの十人十色な生き様を紹介するインタビュー。前回は、二度の離婚を経験し、二人の子供を育て、今も恋を求め続けるマダム、ブリジッドさんにその半生を語ってもらいました。
ブリジッドさんは、現在16歳の息子と暮らす母として、そして、老舗ブランド「ゲラン」の化粧品販売員として働く一人の女性として、そのどちらを諦めるわけでもなく堂々と生きています。今回は、50代で恋をするってどんな感じなのか、そして、恋する母を息子くんはどう思っているのかを聞いてきました。
50代で恋するってどんな感じ?
—— まずは、ブリジッドさんに現在の恋愛感について質問です。50代になっても恋愛をするというのが、日本ではあまりないことで、想像がつきません。50代になっても出会いはあるものですか?
ブリジッド そりゃあ、あるわよ。私と同じ世代のシングル男性はたくさんいるからね。でも、20代、30代のころと比べると、圧倒的に出会いのチャンスは減ってきてる。若いころは独身の友人らが参加するパーティーにもよく誘われたりしたけれど、結婚してからは夫婦そろって集まる友人づきあいに変わったし、特に離婚してからは、それまで夫婦で付き合いがあった友人らのパーティーには呼ばれなくなったのよ。理由ははっきりしていて、これは直接友人からも言われたのだけれど、「あなたに私の夫を寝取られるんじゃないかって、心配だからパーティーには呼ばない」って。
フランス人女性たちのこうした警戒心はものすごく強い。既婚、未婚に関わらず、 年齢にも関係なく、恋愛がいつでも起こりうるものだということが、フランスではあたりまえだからです。