「怖さ」に敏感であれ
インターネットのレコメンド機能は非常に強化されているようです。
あなたがいま欲しがっているものはこれですよね? あなたの味覚にあった料理はこれで、趣味にあった書籍はこれで、体調にあったサプリメントはこれで……といった具合に頼んでもいないのに、これまでの購入履歴や閲覧記録から弾き出して勝手に教えてくれる。
余計なお世話です。かりにそのアドバイスが的確だったとしても、余計です。当たっていたら余計に癪る。
それでも、まあ、レコメンド機能には便利な面もありそうですから、ささやかなサービスとしてうまく使いこなせばいいと思います。
この、うまく使いこなす、というのが肝です。あくまでもサービスはあなたが使いこなすべきものであって、使われてはいけない。余計なお世話だと、わたしは吐き捨てましたが、頭のどこかにそのような意識があってしかるべきです。
便利さには危険が潜みます。身を任せすぎると、サービスの言いなりになって思考停止にはまり込んでしまう。インターネットにはそもそも、そのような主客転倒の倒錯を引き起こす、慣性のようなものが常に働いていると考えるべきでしょう。これは非常に怖いことです。
この「怖さ」というのは得体の知れない怖さであり、かなり厄介です。