かつての夢から視野を拡げる
かつて抱いていた夢を棚卸しし、現状と照らし合わせてみる。すると、やっぱり夢は夢だ、これは現在の自分にはつながらない、そう愕然とするかもしれません。
その代表格は、野球やサッカーなどのプロスポーツ選手でしょう。三十代でその夢を実現させることはたしかに不可能です。
でも、そこでもう少し視野を拡げてみる。野球やサッカーに関する仕事ということだったらどうか。可能性はあるのではないでしょうか。プロスポーツの世界では、選手という立場以外にも、審判、球団の職員、球場のスタッフ、マスコミ関係者などなど、取り巻く仕事はたくさんあります。
野球もサッカーも、競技として洗練されていて、世界を股にかける巨大なエンターテインメントに発展しています。多くの人々が魅了されるのも当然だと思います。純粋に観戦を楽しむのもいいですが、一歩先に進めて、そこまで好きなら仕事にしようと考えてもいいのではないですか。選手にはなれないけれど、その巨大エンターテインメントに関連した仕事を目指してみてはどうでしょう。
実際に就いたら就いたで、もちろんファンとして楽しんでいたときには想像もつかなかった苦労や軋轢が、山ほどあるに違いありません。でも、それはあなたにとってマイナスにはなりえない。自分の好きな道に仕事でかかわることのストイックさは、奴隷の対極にあります。
鍛えぬかれた、いってみれば超人的なプロアスリートを応援するのは、最高の娯楽だと思います。反発を恐れず言えば、応援する側は楽だし、傷つくこともないわけです。エンターテインメントたるゆえんです。
でも、もしもあなたがその競技を本当に好きなら、もっと切実にかかわろうとしてもいいのではないでしょうか。反発承知でもうひとつ言うなら、他人を応援して満足している場合なのですか。他人がメシを食っている姿を横で眺めていて、果たして自分の腹が太るのか?