ブログでバズりたいなら悪口か、自虐か?

ニケはブログをやっています。その名も「にっきゃんのなんでもない日々」。こつこつ2年間も続けてきたブログですが、問題は、アクセス数がおそろしく少ないこと。そんなニケに、博士はある発明品を取り出します。それを使えば、誰でも簡単におもしろい記事が書けるそうで……。

古見宇こみう博士
23歳男性。生後一週間でマクローリン展開をする。四歳でハーヴァードに入学。六歳で数学の博士号を取る。二十歳で万物理論を完成させたのち、「コミュニケーション」の発明を行う古見宇発明研究所を設立する。

ニケ
32歳女性、千葉県出身。古見宇研究所助手。好きなものは竹輪とGINZA。嫌いなものはセリーヌ・ディオン。「宇宙の解」を知って絶望していた博士に「コミュニケーション」という難題を与え、結果的に古見宇研究所の設立に繋げる。




にっきゃんのなんでもない日々 by ニケ

新宿

今日は新宿でお買い物をしました。
突然ですが、ここでみなさまにご報告があります!
先週からずっと買おうか迷ってて、このブログでも取り上げたワンピですが、なんと思いきって……

買いませんでした!

その余ったお金で、友人におすすめされていたガレットの店に行くと見せかけて……

行かずに帰ってきました!

というわけで、新宿に行った意味は無でした!

ブログを書いた意味も……無でした!


コメント(1)

1 江坂ヒューモック
にっきゃん、いつも楽しみにしています!
可愛いワンピだったので、買っても損はなかったと思いますよ♪(´ε` )
でも、買わないという選択もありだったと思います( ^ω^ )

 昼休み、私は自分のブログに久々についたコメントにニヤニヤしていた。今やコメントをくれるのは江坂ヒューモックさんだけになってしまったけれど、誰かに読まれているという事実がわかるだけでも、私にとってはとてもうれしい。

 研究室から出てきた博士に「ひとりで笑ってて気持ち悪いね」と突っこまれた。

「いいじゃないですか、少しだけいいことがあったんです」

「ああ、ニケ君が2年間続けているのに、記事ごとの平均アクセスが2しかないことで有名な過疎ブログ『にっきゃんのなんでもない日々』に二ヶ月ぶりのコメントがついたことかな?」

「え? 博士、もしかしてブログのこと知ってたんですか?」

 私はあまりの恥ずかしさに、思わず赤面してしまった。

「もちろん知っているよ」

「というか、私のブログ、アクセスが2しかないんですか?」

「自分で確認できるじゃないか。調べなかったの?」

「過疎であることは自覚していましたが、現実を直視したくなくて一度も調べたことがありませんでした……」

「もっというと、アクセス2のうち1はニケ君のお母さんで、残りの1が江坂ヒューモック氏だよ」

「お母さんにも見られてるんですか?」

「そうだね。アクセス解析をした結果だけど、1年くらい前に【ママ】という名前で『たまには実家に帰ってきなさい』とコメントしてたのは正真正銘ニケ君のお母さんさ」

「覚えてます! というか、荒らしだと思ってました……そっか、お母さん見てたんだ……」

「しかしだね、『にっきゃんのなんでもない日々』は僕の研究の上で非常に役に立っているから、別に気落ちすることはないよ」

「ひとのブログを勝手に研究対象にしないでください!」

「いやあ、世の中に過疎ブログは山のようにあるけど、これだけ定期的に更新しているのにアクセスの少ないブログはなかなかないからね。逆説的にブログの人気とは何か、という研究が進むわけさ」

「そこまで言うなら、アクセスを増やす方法を教えてくださいよ! 私も本当はおもしろい記事を書いて、多くの人に読んでもらいたいんです。私のブログが研究対象だったなら、私にも知る権利があると思います!」

「もちろんだよ。その話をしにきたんだ」

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--- - 草野 原々 - ぼくのりりっくのぼうよみ - 柴田 勝家 - 黒石 迩守 - 伏見 完 - 小川 哲
早川書房
2017-01-24

この連載について

初回を読む
古見宇博士の珍奇な発明

小川哲

二十歳で「宇宙の解」を知って生きる気力を失った大天才、古見宇(こみう)博士。そんな彼が絶望の果に見出した謎は「人間関係」でした。まだ誰も光を当てていない種類の「コミュニケーション」に関する発明品を作ることに生きがいを見出し、古見宇発明...もっと読む

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