第2回】小売業の勢力図を変える ITによる新たな購入体験

スマートフォンの普及で、いつでもどこでもモノを買える環境が整った。店舗を単なるショールームにせず、ネットへ流れる客をいかにして呼び寄せるかは、小売業にとって大きな課題だ。阪急阪神グループとNTTグループなどは昨年10月、国内最大級の実証実験を始めた。対象となるのは、阪急三番街やHEPファイブなど、関西圏の5カ所のショッピング施設。利用者に専用のアプリを提供し、ショッピングを促していく試みだ。

スマホを介して呼び寄せる

 「ショールーミング」という言葉がある。店舗で現物を確認して、実際に買うのは価格が安いネットショップで、という消費行動だ。スマートフォンの普及で、いつでもどこでもモノを買える環境が整った。店舗を単なるショールームにせず、ネットへ流れる客をいかにして呼び寄せるかは、小売業にとって大きな課題だ。

 阪急阪神グループとNTTグループなどは昨年10月、国内最大級の実証実験を始めた。

 対象となるのは、阪急三番街やHEPファイブなど、関西圏の5カ所のショッピング施設。利用者に専用のアプリを提供し、ショッピングを促していく試みだ。

 例えば、阪急西宮ガーデンズの入り口には専用の端末リーダーが置かれており、専用アプリを入れたスマホをかざすことで毎回5円分のポイントが得られる。5メートル間隔で約200カ所に無線LANのアクセスポイントが設置されており、利用者はスマホ上の地図で現在地を確認できる。一方、店舗側もこれまでわからなかった利用者の動向を把握できる。

阪急西宮ガーデンズでは、マイカーを容易に捜せるよう、駐車場の位置情報を記録する試みが行われている。Photo:KYODO、DW

 こうして取得したデータにNTTの解析技術を加える。NTTではクレジット機能付き「STACIA(スタシア)カード」を活用し、利用者の行動時間や居住地域、購入履歴などから動向を分析。オススメ店舗情報などを配信し集客につなげていくのだ。

 阪急阪神ホールディングスの西水卓矢グループ経営企画部長は「ショールーミングは脅威だ。顧客の知りたい情報をタイムリーに届け、鉄道沿線をより楽しんでもらえる仕組みをつくりたい」と期待を高める。

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