ダメな女には神様だって優しくない

家で一人で過ごしていたら、突然の来訪者がやってきた。来訪者をモニターで見てみると、元彼の隆二に似ている気がした。百鳥ユウカさん(34)は、全身パジャマでしたが、そのまま玄関の鍵を開けることにしました。

「おじゃまします」

ドアを閉め礼儀正しく頭をさげた高畑と名乗る男は、上下白いトレーナーを着て、青いブルゾンを羽織っていた。

ユウカは、楽しみにドアを開けたのだが、よくよく見たら隆二にはあまり似ていなかった。

(なんだか日常にドラマがなさすぎて、どんな男でも元彼にみえちゃうなんて、ほんと重症だわ)

「ジョンくんの様子はどうですか?」

高畑は事務的にユウカに話しかけてきた。高畑という男はさっき回診と言っていたから、獣医か何かなんだろうか。アキからは特に聞いていないが、男の慣れた様子に自然とユウカも安心して応対できた。

「ジョンは、ずっとベッドで寝ていますよ」

「今日、アキさんは?」

「あの……ふるさと納税? いや、違うわ。えーと、なんか用があるって外出しちゃいました」

「そうですか。ちょっと、ジョンくんの様子を見させてもらってもいいですかね」

「あ、はい」

高畑は黒い大きなカバンを抱えて、玄関脇のリビングの入り口からジョンのベッドまで入ってくる。もう何度も家にきているようで、家の構造も作りも理解しているようだ。

(ユウカは家の構造を覚えるまでに1ヶ月くらいかかったけど)

ジョンはアキが出かけてからずっとベッドの上で寝ていた。もう15歳を超える老犬で、竜平さんが外国で買ってきた犬だそうだが、最近はあまり外に出ることも少なくて、家の中で寝ていることの方が多い。

ユウカが初めてこの家にやってきたとき、飛びついてきたけど、あれくらい元気な日はこの冬に入って、数えるほどだ。

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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sizukanarudon 菅沙絵@sae20160325 https://t.co/0yV4K6MRmb 冗談ぽく笑われたら私は2度とこの人の顔を見られないかもしれない。 神様、もう少しだけ 優しくしてくれたっていいじゃな… https://t.co/wbrJCGsV46 約3年前 replyretweetfavorite