自分の失敗談を書く一番いいタイミング

『夫のちんぽが入らない』! 驚きのタイトルを上梓するこだまさん。匿名で執筆活動をするこだまさんと、著書『洗礼ダイアリー』や、cakesの連載『臆病な詩人、街へ出る。』など、エッセイストとしても活躍中の詩人・文月悠光さん。自身の身の上を綴る文章は、臆病だけれどとても真摯で、どこかしら共通したものがあるようです。そんなお二人に身を削って自分の経験を書くことや、人との関わり方などについて、二人に語っていただきました。

文月悠光(以下、文月) これ(『夫のちんぽ~』)には夫婦の問題が赤裸々に書かれているわけですが、旦那さんは何か言っていましたか?

こだま いえ、夫は私がこういうものを書いていることはまったく知らないんです。

文月 えっ! じゃあ、本が出ることは知らないんですか?

こだま はい。

文月 伝えてみよう、ともまったく思わず……?

こだま はい。勇気が出なくて……。

文月 そうなんですね。ちなみにこだまさんは書いているとき、楽しかったですか? かなり壮絶で悲惨に感じるエピソードもあるので、大変なことだったと思うのですが……。

こだま つらい体験については、結構どんどん書けてしまいました。失敗した出来事も、これだけ積み重なるとひとつの物語になれるんだな、と今は思えています。なんだか客観的になってしまっていますが。

文月 ああ、わかります。自分の中で「終わった」出来事だから書けるんです。問題の渦中にいるとうまく書けないですよね。

こだま そうなんです。まさに、「入らない問題」から一歩引くことができたタイミングで書き始めました。悩んでいる最中だったら、もっと悲劇に浸った文章になっていたと思います。

文月 悩んでいるところからある程度抜け出せて、これからその問題を引き受けて生きていこう、と思えたときに書くのが一番いいタイミングですよね。

ああ、私は「焼きゴテ」が恐かったんだ!

こだま 逆に、序盤の学生の頃の夫と恋人同士だった時代についてのほうが、つらい体験よりも書くのが難しくて。書いていて恥ずかしくてたまらなかったです。

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入らない」ふたり—文月悠光×こだま対談

こだま /文月悠光

『夫のちんぽが入らない』! 驚きのタイトルを上梓するこだまさん。匿名で執筆活動をするこだまさんと、著書『洗礼ダイアリー』や、cakesの連載『臆病な詩人、街へ出る。』など、エッセイストとしても活躍中の詩人・文月悠光さん。自身の身の上を...もっと読む

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コメント

tipi012011 うーん、風俗いってるの知っているならカミングアウトするのも手かと。 10ヶ月前 replyretweetfavorite

luna_yumi 【掲載】こだまさん @eshi_ko との対談記事・後編が公開されました🌠 心に潜む“恐れ”を、こだまさんの文章は見事な比喩で言い当ててくれます☺ ▶︎|「入らない」ふたり―文月悠光×こだま対談 https://t.co/HUw9tb0X6u 10ヶ月前 replyretweetfavorite

eripoppins 話題のこだまさん https://t.co/aIZvU0xveD https://t.co/6jvrd1VliZ 10ヶ月前 replyretweetfavorite