​ピンク・フロイドとユーミンがライブを「総合芸術」に変えた

BUMP OF CHICKENやサカナクションなど多くのロックバンドを手掛け、日本音楽制作者連盟の理事もつとめるヒップランドミュージックコーポレーションの野村達矢さんに、ライブ・エンタテインメントの実情を伺いました。
音楽ジャーナリスト・柴那典さんがその実情と未来への指針を解き明かす話題書『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)。その内容を特別掲載します(毎週火曜・木曜更新)。

ピンク・フロイドとユーミンがライブを「総合芸術」に変えた

 ライブ・エンタテインメントを巡る状況は大きく変わってきている。では、その実情はどうなっているのだろうか?

 BUMP OF CHICKENやサカナクションなど多くのロックバンドを手掛け、日本音楽制作者連盟の理事もつとめるヒップランドミュージックコーポレーションの野村達矢に、その背景を聞くことができた。

 まず、ライブ市場の拡大という同じ話題の中で括られることの多い「フェス」と「ワンマンライブ」だが、アーティスト側にとっては出演する際の意識は全く違うという。

 「たとえるなら、フェスはシングル盤、ワンマンライブはアルバムのようなものですね。映画で言えば予告編のトレイラーと本編くらいの違いがある。
 アーティストの意志や主張をひっくるめて作品として構築した表現を見せることは、ワンマンライブでしか成し得ない。フェスは、あくまでステージも、照明やPA(音響)も、主催者側が用意したもので、与えられた時間の中で表現しているという感覚でしかない。もちろん、その中でいかに最大限のものを見せるかという意味においてアーティストは戦っています。
 しかし、あくまでアーティストの表現の100%を見せる場所はワンマンライブである。お客さんにそう認識してもらうことは大事だし、それはどのバンドも一緒だと思います」

 では、テクノロジーを駆使した大規模なワンマンライブが増えた背景には、どんなものがあるのだろうか。実はアーティストが作品性の高いライブ表現を行うようになったのは最近のことではなく、そのルーツは70年代のピンク・フロイドにある、と野村は言う。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

長らく音楽業界が直面してきた「構造的問題」とは?

この連載について

初回を読む
ヒットの崩壊

柴那典

「心のベストテン」でもおなじみ音楽ジャーナリスト・柴那典さん。新刊『ヒットの崩壊』では、アーティスト、プロデューサー、ヒットチャート、レーベル、プロダクション、テレビ、カラオケ……あらゆる角度から「激変する音楽業界」と「新しいヒットの...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

hatebuentertain ピンク・フロイドとユーミンがライブを「総合芸術」に変えた| 1年以上前 replyretweetfavorite

music_news_20XX ピンク・フロイドとユーミンがライブを「総合芸術」に変えた| 1年以上前 replyretweetfavorite

entame_saishin ピンク・フロイドとユーミンがライブを「総合芸術」に変えた| 1年以上前 replyretweetfavorite

enter_ment ピンク・フロイドとユーミンがライブを「総合芸術」に変えた|ヒットの崩壊|柴那典|cakes(ケイクス) https://t.co/Q92YmIxQ9T 1年以上前 replyretweetfavorite