​お金の使い方を意識する

2016年、最後の「ワイングラスのむこう側」。年の暮れにだれもが気にするのが、お金の話。みなさんは今年一年、どんなお金の使い方をしたでしょうか? 目の前にある、便利で安いものにお金を使うのもいいですが、そのお金の使い方によっては、あなたの手で色々なことの力になれるのです。ぜひ今年一年を振り返りながらお読みください。

坂本龍一のツイート

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

YMOの3人、坂本龍一、細野晴臣、高橋幸広。僕は彼らの音楽が好きなのはもちろんなのですが、彼らの「YMOで成功した後に、才能ある若いミュージシャンたちをたくさん紹介した」ってところも好きなんですね。

ミュージシャンとして成功した後、印税生活で楽しく暮らすこともできるのに、彼らは1980年代以降、若くて無名の才能ある人をたくさんこの世の中に出しました。3人の紹介のおかげで、東京の音楽シーンはかなり豊かになったと思うし、彼らのあの行動がなかった東京の音楽シーンを想像してみると、かなり貧しい状況になっていたのではと思ってしまいます。

坂本龍一についてこんな印象的なことがありました。僕の友人が「雨と休日」というCDショップを経営しているんですね。ご存じのようにCDは今そんなに売れなくなっているけど、このお店は誠実に良い音楽だけをセレクトして届ける素晴らしいお店なんです。

坂本龍一がある時、ツイッターでその「雨と休日」のことを「良いお店だね」って感じでツイートしたことがあったんです。当然、坂本龍一のフォロワーはすごくたくさんいるので、たくさんの人がその「雨と休日」を知ったと思います。

坂本龍一としてはそのお店を紹介しても、何の得にもならないのに、「こういう素晴らしいお店は自分みたいに影響力のある人間が積極的に紹介して、応援していった方がいい。その方が日本の音楽文化もさらに豊かになるはずだ」と判断して、そう行動したんだと思うんです。

成功した人、あるいは発言力や影響力のある人、そしてお金持ちの人って、そういう風に、若くて才能がある人間や、面白い試みをしている人たちを紹介したり、時には援助したりする「義務のようなもの」があると僕は思っています。そうすることによって、さらに彼らを信頼する人が集まり、そして文化がより豊かになっていくんだと僕は思います。

「ちょっと高くても良い志があるお店」にお金を使うこと
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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

nonti1105 お金の使い方を意識する|林伸次 @bar_bossa | 9ヶ月前 replyretweetfavorite

kassie_mt 去年末の記事だけど、本当そう思うわ。 お金の使い方を意識する|林伸次 @bar_bossa | 11ヶ月前 replyretweetfavorite

akama910 お金の使い方を意識する|林伸次 @bar_bossa | 11ヶ月前 replyretweetfavorite

nishiaratter 本当にその通りだと思います。林さんの記事も、よく投げ銭しています→お金の使い方を意識する|林伸次 @bar_bossa | 12ヶ月前 replyretweetfavorite