恋愛」が終わっても、二人でいられる関係性—vol.3

『春の呪い』が初めての連載となった小西明日翔さん。マンガ家になったことを実感した瞬間や、これまでに影響を受けてきた作品についてお聞きしました。じつは『春の呪い』が”あの映画”のオマージュだという裏話も明かされる、インタビュー最終回です。

会話劇ならではの見せ方の工夫

— 『春の呪い』をあらためて読み返してみて、「横顔」の使い方が効果的だなと感じました。横顔を描くのはお好きなんでしょうか?

小西 たしかにうつむいている横顔が多いとは、私も思いました。好き嫌いじゃなくて、私の描ける顔のレパートリーが少ないんです……。

— そんな! 横顔のうつむき方の角度にバリエーションがあって、それだけでキャラクターの心情が伝わってきます。

小西 会話劇なので、気を抜くとどうしても動きがなくなってしまうんですよね。話している間に歩かせてみたり、しゃがませてみたり、会話シーンが続く中で読み手が退屈しないように気を付けています。


『春の呪い』1巻より

 絵を描いていて楽しいのは、どういったときでしょうか?

小西 夏美の髪の毛をなびかせるのは、描いていて楽しかったですね。描くのが難しいといえば難しいんですけど、画面映えがするので。でも、基本的に絵を描くのはあんまり好きじゃないんです。マンガの作業のなかで一番好きなのは、プロット作りなんですよ。

 では、いちばん苦手な作業は?

小西 ネームです! A5サイズのスパイラルノートに、1ページがそのままマンガの1ページになるように手書きで描いているんですが、毎度ものすごく悩みますね。そもそも私はウェブでマンガを発表していたので、タチキリや横に読んでいくことを前提とした、紙で読むマンガを描いたことがなかったんです。だから何も考えていないと、目線を右上→右下→左上→左下と移動させるコマ割りばかりしてしまいます。

一迅社担当編集(以下、担当) ウェブだと縦読み前提なので、紙で効果的なコマ割りとはちょっと違うものになるんですよね。そのあたりについては、私からコマ割りの変更を提案するなどして、コマ割りについての考え方をすりあわせていきました。

「No time for losers」に衝撃を受けて
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春の呪い』インタビュー

小西明日翔

「妹が死んだ。名前は春。まだ19歳だった」——妹・春の死によって移り変わっていく姉・夏美と妹の婚約者・冬吾の関係を緻密に描き、単行本が刊行されるや否や話題騒然となったマンガ『春の呪い』。最終巻となる2巻の刊行を記念して、作者・小西明日...もっと読む

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コメント

yu_llri @kame117 ネットで小説書いてて、その頃から人気だったそうです。担当編集さんも、小説も出版しないかと声を掛けてるみたいですが…。先生のついったには、他のインタビューのリンクもあります!こちらは現在有料ですが、第一回は無料です。https://t.co/UHs8jKl5oP 11ヶ月前 replyretweetfavorite

ichinics インタビュー最終回も面白かった〜! ある映画を意識していた、という部分、いわれてみれば確かになんだけどポスターが出てくるとか気づかなかったので読み返したい。 https://t.co/VgIdkljTYW 12ヶ月前 replyretweetfavorite

akihik0810 タチキリや横に読んでいくことを前提とした、紙で読むマンガを描いたことがなかったんです。だから何も考えていないと、目線を右上→右下→左上→左下と移動させるコマ割りばかりしてしまいます。 12ヶ月前 replyretweetfavorite

nitsuuume  2016年、面白かった漫画を上げろと言われたらこれ上げます。特に1巻の最大瞬間風速っぷりがやばい。 12ヶ月前 replyretweetfavorite