キャラクターは「隣の家に住んでいる人たち」である—vol.2

個人サイトで掲載していた小説から始まったという『春の呪い』。マンガとして連載されるにあたっては変更が加えられたり、新たに追加された設定があるそうです。 なんと「夏美の学校の時間割」まで考えていたという小西明日翔さんが、ストーリーやキャラクターをつくるうえで大切にしていることとは?

元のタイトルは「死ぬまで春」だった

— 『春の呪い』には、夏美・春・冬吾の3人の関係が描かれるうえで、夏美と春の家族や、冬吾の一族の人間も登場し、3人の関係にとっても重要な役目を担っています。「家族」というテーマを描きたい気持ちが以前からあったのでしょうか?

小西明日翔(以下、小西) いえ、当初は完全に3人しか出てこない話でしたね。ただ、話の細部を考えていくにあたって、夏美と冬吾の関係や恋愛感情の問題だけではなく、お互いの家族の問題を描かないといけないなと思い始めました。

一迅社担当編集(以下、担当) 最初は「この世に3人だけ」というイメージでしたよね。

小西 そうなんです。でも、考えているうちに「このままだと、読み手の方は当然『この子たちの家族は何してるんだろう』と疑問を抱くだろうな」と気になりだして……。そういった疑問が生じてしまうのは物語としてどうなのだろうと思い、登場させることにしました。

 夏美の義理のお母さんが、2巻でキーパーソンになるとは思っていませんでした。ちなみに、夏美、冬吾、春にだけ、名前に「季節」が入っているのは、最初から決まっていたんでしょうか?

小西 これも途中からですね。そういえば、『春の呪い』というタイトル自体も、もともとは違ったんです。最初は『死ぬまで春』でした。
 以前別のインタビューでもお話ししたんですが、『春の呪い』の話自体の着想は、富良野のラベンダー畑の情景から得たものなんです。

 1話で夏美が、冬吾に家族旅行で行ったラベンダー畑のことを話していますよね。


『春の呪い』1巻より

小西 はい。そのシーンから、「妹の春と見た、春のラベンダー畑の風景が、死ぬまで忘れられない」という二重の意味合いを込めて『死ぬまで春』というタイトルにしていたんですが……、ラベンダーって春の花じゃないんですよね(笑)。本当は7月の花だったんです。

 そうなんですね(笑)。

小西 調べて「初夏の花だ!」と気づいたので、『春の呪い』に変えました。最初に話が浮かんだときから「呪い」の話だとは思っていたし、結果的に、ラストもタイトルに沿った締め方になりましたね。

オタクの自分と常識人の自分が戦う瞬間
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春の呪い』インタビュー

小西明日翔

「妹が死んだ。名前は春。まだ19歳だった」——妹・春の死によって移り変わっていく姉・夏美と妹の婚約者・冬吾の関係を緻密に描き、単行本が刊行されるや否や話題騒然となったマンガ『春の呪い』。最終巻となる2巻の刊行を記念して、作者・小西明日...もっと読む

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コメント

3Fe2O2Fe3O4 インタビュー第二回です。 一昨日ここでも言っていたラストになぜしなかったのか答えています。 https://t.co/3jcVC9MwFN 11ヶ月前 replyretweetfavorite

ichinics 1回目に引き続き、そうだったのか!って思うとこたくさんあって面白い。春と思われるSNSがたしかアキだったときに、やっぱこれは春なのか、と思ってへこんだな…/https://t.co/CZkHQHd1nN 11ヶ月前 replyretweetfavorite

sarirahira 【今回のトピック】 ・タイトルを変更した理由 ・物語の始まりは「ラベンダー畑」 ・オタクの自分と常識人の自分が戦う瞬間 ・実は「学校の時間割」まで考えている https://t.co/VWvqKGay1h 11ヶ月前 replyretweetfavorite

sarirahira 『春の呪い』インタビュー2回目ですー https://t.co/aKY1ASxiZF 11ヶ月前 replyretweetfavorite