けんちゃん、ドリフを復活させる「実は、テレビ欄を作っているのは、ぼ、僕なんだ」

“夫のちんぽが入らない”衝撃の実話――交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴ったこだまさんの“愛と堕落”の半生。その書籍化を記念して、その外伝がcakesで特別連載です。
子供の頃から憧れていた教職に就くも、精神を病み離職したこだまさん。引きこもりを経て、最終的に辿り着いたのはとある障害者施設の職員でした。そこに入所する少年けんちゃんと心を通わせるうち、彼の独創的な世界観に心を奪われるようになります。そんな、けんちゃんと過ごしたかけがえのない日々を綴ります。

 「気持ちを落ち着かせるための個室」で自作の舞『鶴のかなしみ』を踊っていたけんちゃんが私の視線に気付いて動きを止めた。

「きょう、ぼ、僕は、八種類の豆を、ぶ、分別する大会で、し、新記録を出したんだ」

 ぴんと首を伸ばし、天を仰ぐ姿勢のまま彼は言った。雪原に佇む一羽になりきっている。

 八種類の豆を、分別する大会で、新記録。そして鶴。

 けんちゃんに尋ねたいことは、いつだって山ほどある。鶴にどんな悲しい事情があるのか、その面白そうな大会はいつどこで開催されたのか、私も出場できるのか、大豆と小豆とあと六種類は何なのか、そもそもそんな大会が本当に存在するのか。
 けれど、「けんちゃん朝からずっとこの部屋にいたじゃない」という一言で片付けるのは、あまりにもナンセンスで失礼きわまりない。何より夢がない。

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夫のちんぽ外伝『けんちゃんのいる世界』

こだま

“夫のちんぽが入らない”衝撃の実話――交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴ったこだまさんの“愛と堕落”の半生。その書籍化を記念して、その外伝がcakesで特別連載です。 ...もっと読む

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コメント

kanunco めちゃくちゃ面白いww8種類の豆を分別する大会wwwwwダメwww 1年以上前 replyretweetfavorite

egatetsu0723 "けれど、「けんちゃん朝からずっとこの部屋にいたじゃない」という一言で片付けるのは、あまりにもナンセンスで失礼きわまりない。何より夢がない。" 1年以上前 replyretweetfavorite

pkclb けんちゃんの話で、いちばん好きなエピソード。 1年以上前 replyretweetfavorite

takaishimasita こだまさんの特別連載「けんちゃん」更新です。けんちゃんの“発想力”はケタ違いだ。 1年以上前 replyretweetfavorite