赤坂のカエル

第11回】エラさの序列

web編集者・中川淳一郎さんがフリーランスになったころを振り返る本連載。今回も前回に引き続き、取材相手から出禁にされたお話。しかし今回は前回と様子が少し違います。会心の取材を終えた中川さんになにがあったのでしょうか。

相手も喜んでくれた会心の取材

印象深い出禁事件がもう一つある。それは、私が後にテレビブロスの編集者として、企画を主導することになる時にも発生した。「探偵特集」を作ったのだが、この時にとある推理小説シリーズのファンクラブの人々を取材した。

同クラブの会長と密な連絡を取り、彼らの会合が終了した後に、会員を集めて座談会を開催する、ということが決定した。当日、待ち合わせ場所に行くと、人の良さそうな初老の男性が「どうもどうも! この度は取材いただきましてありがとうございます!」と満面の笑顔で握手をしてくれた。

会員は30代中盤から60代くらいの人が多く、いずれもその推理小説が大好きで、舞台となった場所へ皆で頻繁に行き、交流を深めているのだという。会長は会員に対し、「今回、私たちを取材していただくテレビブロスの中川さんです!」と紹介したら、なぜか拍手をもらえた。

そして、近くの喫茶店で座談会開始。なんと、15人もの人が来てくれたのである。座談会は笑いあり、真剣な場面ありで、面白いネタが続々ともらえた。そんな中、同小説のテレビドラマ版について若干の議論が生まれた。

俳優の田中(仮名)と山田(仮名)と吉田(仮名)がその探偵の役をしたのだが、どうやらその場では田中の評判はとてもよく、山田はまぁまぁ。吉田はイメージに合わないとして満場一致でダメ出しをくらったのである。その時の会話はこんな感じだ。

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中川淳一郎

ライター、編集者、PRプランナーとして『NEWSポストセブン』などのニュースサイトの編集を手がける中川淳一郎さんのエッセイ連載! 日本のウェブ業界で、強烈な存在感を放つ中川淳一郎は、いかにして中川淳一郎になったのか。その生き様を赤裸々...もっと読む

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コメント

unkotaberuno これは常見が圧倒的に正しい。記事作成にあたっては、エラい順番があるのよ。【1】取材相手【2】編集長【3】読者【4】編集者【5】ライター https://t.co/T6IT22x3Ol ここにも書いた。取材相手がいなくちゃ何も作れん https://t.co/YBi5zT4r2S 2年以上前 replyretweetfavorite

gotoichi1003 伝えることの難しさとかを考えます。ことばの難しさなのだろうなぁ。きっと。 5年以上前 replyretweetfavorite

yaiask ああー、わかる。取材対象者がどう見えるかを意識して書くのは、前職ですごく教えられた(それでもまだ足りないことがありますが…)→ 5年以上前 replyretweetfavorite

die_kuma 前回のお話よりも、今回の中川さんの取材に対する姿勢がものすごく共感できる! 5年以上前 replyretweetfavorite