感想はすべて宝物」大反響のグルメコミック『ごはんのおとも』著者インタビュー

これさえあれば、何杯だって食べられる。わが友、ごはんの友。路地裏の料理店「ひとくちや」にあつまる人たちを、心まであたためるレシピと物語。「登場人物ひとりひとりが米粒のように光ってる」「優しさに涙が止まらない」と20~40代男女を中心に大反響をよび、累計10万部を突破したフルカラーコミック『ごはんのおとも』の第2弾が発売中。その発売を記念して、著者・たな氏のロングインタビューを刊行いたしました。「こういう機会は初めてです」と言うたな氏に、創作秘話や作品に込めた思いを聞きました。掲載中の試し読みとあわせてお楽しみください。


ごはんのおとも2(実業之日本社)

マンガを描き始めたのは

—たなさんの一番好きなごはんの「おとも」は何ですか?

たな どうしても一番は決めきれなくてその時々で答えが変わるのですが、今この瞬間においてなら味付け海苔です。

—作中には出てこない食材ですね。どんな風に食べているのですか?

たな 小さいお皿にお醤油を入れて、味付け海苔を浸して、ごはんに乗せて、箸で巻いて食べます。味付け海苔の食べ方はそれが作法かなと思っていたくらい他の食べ方を知らなくて。大人になるにしたがって餅に巻いたり、くしゃくしゃにして卵かけご飯に混ぜたり、漬け丼に乗せたり……。

—海苔がお好きなのですね。

たな 海藻が好きです。あとひじきも。

—イラストやマンガはいつから描いていたのですか?

たな 幼稚園の頃から絵は好きで、描かなかった時期はなかったと思います。マンガは高校生頃から少しずつ。

—その頃マンガはどんなものを?

たな 纏まって描いたものはなくて。マンガの構成やストーリー作りを全然わからないまま、コマと吹き出しと……そういう形だけ真似てみるだけのものを。上辺だけなので上手くもいかず、でも描いてみたいという気持ちだけが先走っていたように思います。

—その時点では、それを人に見せようとは?

たな あまり思っていなかったです。

—その意識はいつ頃変わったのですか?

たな 明確なターニングポイントみたいなものはなかったのですが、pixivやコミティアのような絵を見てもらえる場所に参加するにつれ「思いついたアイデアをわかりやすく見てもらうためにはどうしたらいいのかな」と、描き方も見せ方も少しずつ意識し始めるようになりました。

同人誌版『ごはんのおとも』表紙

お気に入りのもの

— これまで触れてきたなかで、とくに好きな作品はありますか? マンガ、小説、映画、音楽、芸術、ほか何でも構いません。

たな いろいろあるのですが、最近ではEテレで放映中の井上涼さんの『びじゅチューン!』がとても好きで、2巻の作業中には録画したものをよく連続再生していました。ユーモアのある解釈や、短く纏まった一曲の心地よさ、あと作品ごとにちょこちょこと別の作品の登場人物やモチーフが現れるところも。気づきがとても楽しいです。

—アニメはよくご覧になるのですか?

たな 観ます。新しいクールが始まるときに気になる番組の1話目を録画して、時間の許す限り追いかけています。そのなかで必ず観ているのは『びじゅチューン!』、他にも短いアニメはご飯の間にもさっと観られるから好きです。今期だと『信長の忍び』がとてもテンポがよく面白いです。

—追いかけていらっしゃるマンガはありますか?

たな よしながふみ先生の『きのう何食べた?』がすごく好きです。普段あまりマンガを読まない母親も好きで、新刊が出たら2冊買って1冊送っています。

—まったり読める、いいマンガですよね。

たな 巻数を重ねるごとに、彼らの近況を知りたくて本を開くような気持ちが強くなってきています。知り合いのお兄さんの近況話を聞くような。

—やはりグルメコミックがお好きなのですか?

たな あまり多くは読んだことがないんです。料理のマンガは「きのう何食べた?」をとにかく繰り返し読んでいます。好きな作品は繰り返して何度も見たいほうみたいで。

—たなさんは本当に美味しそうにごはんを描かれます。コツや秘訣のようなものはありますか?

たな ありがとうございます。「好きな食べ物を描くこと」が一番かなと思います。おいしそうと感じる部分を絵の見せ場にするのですが、例えば「黄身の醤油漬け」なら色の漬かり具合のグラデーションとか、まわりが写り込むくらいのツヤとか…そういう部分を挙げられるくらい好きなことが大事かもと。

—またキャラクターの一人ひとりが本当に可愛らしいのも、たなさんのイラストの魅力だと思います。読者さんの感想では、「食べている顔が美味しそう!」という声も多いですよね。

たな 実は1話目、当初は食べているシーンがなかったのですが、担当編集者さんに言われて足したんです。最初は「本当に漬けただけで、固まってる!」と冷蔵庫を開けるところで終わる予定でした。でも食べているところを見たい読者さんもいるのでは、というご指摘を担当さんからいただいて、その後の話作りでも「食べる姿」を入れるか入れないかを意識するようになりました。

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あなたの、おいしい顔が、ごちそう。大反響の感涙フルカラーコミック第2弾!

ごはんのおとも 2

たな
実業之日本社
2016-11-18

この連載について

初回を読む
ごはんのおとも

たな

これさえあれば、何杯だって食べられる。わが友、ごはんの友。路地裏の料理店「ひとくちや」にあつまる人たちを、心まであたためる8つのレシピ。もたいまさこさんも微笑! しあわせの笑みがこぼれる物語と美味しいレシピのあったかフルカラーコミック。

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コメント

bukumaru 『ごはんのおとも』ぶくまるの料理漫画記事でもご紹介中です。2巻の発売、すごく嬉しい! https://t.co/vv1jk6FMcz 2年以上前 replyretweetfavorite

sweetbean_tw 食べてる表情かわいい!読もう! 2年以上前 replyretweetfavorite

chiruko_t2 おじさん好きなのはすごくよくわかりますw  2年以上前 replyretweetfavorite

chiruko_t インタビューあとで読む。  2年以上前 replyretweetfavorite