第1章 気持ちいい暮らしに憧れるということ
あるお母さんの話を紹介したいと思います。
紫原明子さん。彼女は家族や恋愛のことをウェブメディアなどに書いている人気のライターで、2016年には『家族無計画』(朝日出版社)という初めての著書を刊行しました。起業家で、東京都知事選にも出馬したことのある家入一真さんの元妻です。彼女はいま、中学生の長男と小学生の長女を育てているシングルマザーでもあります。
明子さんは料理が得意で、自分で運営しているブログのタイトルは「手の中で膨らむ」。パンを焼くという行為からイメージしたタイトルなんですね。とはいえ、仕事を抱えながら、子どもに健康的な食事を毎日食べさせるということに日々苦労しています。
罪悪感との戦い
「健康的食生活にしなければ、という罪悪感との戦いがすごいんですよね。きのうは家で料理をつくらなかったから今日はつくらなきゃと思うけど、その日も仕事でつくれなかったり……」
いちばんの救いは、子どもたちが通っている学校の給食が非常にすばらしいということ。スープのコンソメまで手づくりで、いっさい市販のうま味調味料をつかっていません。信頼できる昼食を毎日出してくれるのです。
市販のコンソメをつかわずに美味しいスープをつくるのは、けっこう難しいイメージがあります。鶏ガラスープを自分でつくる? そんな時間のある人はいまの日本社会にはそうはいないでしょう。
でも、美味しくてシンプルなスープは意外にかんたんです。
わたしがときどきつくる、超時短の中華スープはこんなレシピ。
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