ランジェリーという一番肌に近い鎧(ハナエ インタビュー)

さまざまなプロフェッショナルの考え方・作られ方を、その人の本棚、読書遍歴、本に対する考え方などから紐解いていくインタビュー。今回は「ガーリー」をキーワードに独自のスタンスで活動を続けるポップシンガー、ハナエさんの登場です。

アート、カルチャー、ファッションの領域を行き来するガールポップシンガー、ハナエ。今年でデビュー5周年を迎えた彼女が、HANAE 1st ZINE「Under The Dress」を発表する。11月13日に東京・北参道ストロボカフェで開催された「♡HANAE 1st ZINE発売記念イベント♡-マチネ-/-ソワレ-」で発売されたこのZINE。以前からZINEカルチャーに慣れ親しんでいたハナエの世界観が冊子というフォーマットに凝縮され、写真、詩、デザインが一体となって「Under The Dress」という作品を構築している。愛読家でもある彼女に今回はメールインタビューを敢行。おすすめの本も挙げてもらった。

主軸はずっと「女の子であることの喜びと葛藤」

— 「Under The Dress」というタイトルを付けた狙いは?

ハナエ わたしは音楽を中心に様々な表現で、女の子であることの喜びと葛藤を発信し続けてきました。ZINEを制作するにあたっても主軸は変わりません。「女の子のぐちゃぐちゃとした感情を肯定したい」という想いと、「わたしの剥き出しの感情を表現したい」という想い。このふたつを表現したいと考えた時に、「Under The Dress」という言葉がぴったりだと思いました。ドレスの下に隠しているもの。それはランジェリーという一番肌に近い鎧であり、更にその奥には誰にも言えないような感情が息を潜めているのです。

— スタッフの人選はどのように決めていったんでしょうか?

ハナエ 単純に、その人のクリエイションが好きだな、一緒にお仕事がしたいな……と思っている人にお声がけをしました。そうしたら自ずと、強い女の子を表現することに長けた方々が集まってくださいました。初めてお仕事をしたのはヘアメイクの榎本悠乃さん。友人のミュージシャンのヘアメイクをしているのを見たり彼女のInstagramに載せている写真を見たりして、趣味が合いそうだと勝手に思っていたのですが、実際その通りだったのでヘアメイクを施してもらっている間の会話も楽しかったです。

— いろんな表現のアプローチがあるなか、ZINEを選んだ理由は?

ハナエ ZINEカルチャーは以前より注目していました。学生の頃からそういった自分発信の紙媒体メディア(当時はZINEというより、リトルプレスという呼び方が主流だったと記憶しています)の作り方の本を読んだりして、いつかわたしも出そうと思っていました。今ZINEを出しているモデルさんなどは多数いますが、その流れを汲むというよりも、90年代のライオットガールムーブメントの一環として刊行されていたZINEの流れを汲むのが狙いのひとつでもありました。

好きなZINEは、海外ならBeth Sivyerの「Girls Get Busy」。ロンドンのフェミニストシーンのリーダー的存在の彼女が作るZINEは、フェミニズムという堅苦しく捉えられがちなテーマを、まるでプリクラ帳のような手作り感たっぷりのページで表現しています。わたしにも何かアクションを起こせるかもしれない、という勇気が湧いてくるようなZINEです。日本だとTeam Lanjeri-tokyoの「ニューランジェリーマガジン」。日本の新たなランジェリーカルチャーを発信するプロジェクトチームである彼女たちのZINEは、グラマラスな方からスキニーな方まで様々な女性が奔放にランジェリーを楽しんでいる様子が表現されていてとても素敵です。

— 今回、自分でZINEを作ってみて「編集」のどういうところが楽しかったですか?

ハナエ 以前よりクレジットには載らなかったものの、写真セレクトから構成、色味の調整や文字の配置など作品作りの中で編集には携わっていたので、今回が初めてではありませんでした。ただ今回はコンセプトから撮影場所などほぼすべてを監修し、自分ではできない部分を信頼できるプロの方にお任せする……といった形での作業だったので、作業量は多かったのですが、より頭の中にあるイメージを忠実に再現できたのが楽しかったです。


HANAE 1st ZINE「Under The Dress」
HANAE 1st ZINE「Under The Dress」より

— ハナエさん自身はこのZINEをどんな人に見てもらいたいですか? 「ここに注目して見て欲しい」というポイントは何かありますか?

ハナエ 表紙を見たファーストインプレッションで少しでも気になった人すべてに見てもらいたいです。またZINEはもともとインディペンデントな表現なので、「自分で何かを表現したい」と思っている人にも。注目して欲しいところは、わたしのうっすら割れた腹筋です(笑)。

読書はわたしの心をニュートラルな状態に戻してくれる

— 読書はハナエさんに何をもたらしてくれるものなのでしょう?

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ホンシェルジュ

本棚は人を表す、といいます。本連載は、さまざまなプロフェッショナルの考え方・つくられ方を、その人のもつ本棚、読書遍歴、本に対する考え方などからひも解いていこうという試み。本がいまの自分をつくったという人から、ほとんど本を読まない人の本...もっと読む

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