冬のパリは不機嫌な人が多い?
12月に突入し、パリではあちらこちらにクリスマス・イルミネーションが出そろい始めました。街は華やかさと陽気さであふれてはいますが、寒くなって日照時間が減るこの時期、私は個人的に「機嫌の悪いパリジャン」が増えてくると実感しています。先日も、さっそく機嫌の悪いマダムに遭遇しました。
レジ清算をすませて店を出ようとしたときのことです。警備員と話に夢中になっていたマダムが、出口をふさいで通れなかったので「Pardon(失礼)」と声をかけました。すると彼女は道を譲るどころか微動だにせず、「通りなさいよ。ほら!」なんて悪態をついたのでした。いや、あなたが動いてくれないと、通れないんですけど……。
ほかにも、ホームセンターの払い戻しコーナーに出向いた時のこと。店員マダムの計算ミスに気づいたので、やりなおしてもらったのですが、あからさまに不機嫌な態度をとられてしまいました。いやいや、計算間違いしたあなたのせいで手間がかかっているだけなんですけど……。
パリで暮らしていると、日本にいた時より圧倒的に、こうした機嫌の悪い人、自分が絶対に正しいと信じて疑わない人、絶対に謝らない人、に出会うことが多いです。
自己肯定感の低い日本人
パリに住んで日の浅い日本人は、日本の習慣が抜けきれず、ついついフランス語で「Excuse-Moi(すみません)」を連発してしまうことがよくあります。
パティシエとして働く私の日本人の友人が、職場であまりに「すみません」を連発するので、上司に「どうしてそんなことで、いちいち謝るんだ? 謝らなくていい!」と言われたそうです。
私も最初の頃は日本の習慣が抜けず、扉を開けてくれた親切なムッシュに、「すみません」という感じで、ついつい頭を下げてしまい、真似されて面白がられたこともありました。
こうして日本を出てパリで暮らしてみると、日本人っていつでもどこでも「すみません」って謝る傾向があるなぁと思い知ります。今日は、こうしたパリジャンと日本人の違いについてお話してみます。
その違いとはつまり、
パリ:自己肯定感が強い人が多い
自分に自信があって、正しいと信じている。自分の基準を知っているので、好き嫌いがはっきりしていて、ものごとを自分で決められる。
日本:自己肯定感が低い人が多い
自分に自信がない。自分の基準が分からない、信じられないので、ついつい世間や他人の基準にしたがってものごとを決めてしまう。
というものです。
「結婚」で自己肯定しようとする女性たち
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。