正門から国道沿いに歩いてすぐのコンビニは、浜高生御用達の店だけど、アタシは放課後に買い食いなんてしたのははじめてだった。
駐車場でみんなと食べる肉まんは、なんだか別の国の食べ物みたいに思えた。
「ありがとうございます」
「すごいおいしいです」
めぐとアタシがおごってもらったお礼を言うと、ハル先輩は気さくな調子で、
「いいよ、俺バイトしてるし。一年のうちはなかなかバイトできないっしょ」
と、からあげ男爵にかぶりついた。
バイトかあ……アタシも何かはじめようかな。
「ハル先輩はね、げふん、駅前のファミレスでバイトしてるんだよ」
未来先輩が咳き込みながら言った。
大丈夫かな。ちなみにアタシたちが選んだメニューは、めぐがあんまん、アタシが肉まん、ハル先輩がからあげ男爵、未来先輩がネギトロまんだった。
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