桜ノ雨

第7回 春 音浜高校一年 鈴(リン)

合唱部入部を決めた鈴。さっそく練習開始!

ボーカロイド楽曲の名曲「桜ノ雨」を原作にしたノベル第2弾『桜ノ雨 僕らが巡り逢えた奇跡』の発売を記念して、第1弾ノベル『桜ノ雨』の一部を公開します。



 部員みんながピアノを囲むように二列になって並んでいる。
 アタシたちはその端っこに混ぜてもらっていた。
「じゃあ、歌うときの姿勢からだね」
 と、副部長の瑠華先輩がアタシたちの前に立った。新入生のアタシ、めぐ、蓮を指導してくれることになったのだ。
「両足を肩幅くらいに広げて、均等に体重をかける。重心は足の親指のつけ根にくるようにね。そしてすこし胸を張る感じにして」
「こんな感じ?」とアタシ。
「そうそう、鈴とめぐはそれでいいよ。蓮はちょっと猫背ぎみかな」
 瑠華先輩は、蓮のおでこに手をあてて姿勢を直してやった。
「常にこの姿勢を意識すること」
 はい、と返事した蓮の顔はすこし赤くなっている。まあ、瑠華先輩みたいに大人っぽい女の人に触られたら、蓮なんてイチコロなんだろうなと思う。
「大切なのはリラックスすること。声は体で共鳴させるものだからね」
 はい、とアタシたち。
 なんだか高校の部活っぽくていい感じ。
「じゃあ、腹筋!」
 と、号令をかけた芽依子先生が手を叩く。
 すると、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、と部員みんながお腹に手を当てて、変な呼吸をしはじめた。
 なになに、何をやってるのみんな?

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桜ノ雨

スタジオ・ハードデラックス /藤田遼 /halyosy

「初音ミクたちが学園生活をしていたら――」 230万超の動画再生回数を誇るボーカロイド楽曲『桜ノ雨』のノベル化第2弾『桜ノ雨 僕らが巡り逢えた奇跡』が発売中!cakesでは、前作『桜ノ雨』の一部をご紹介します。(月・木更新) ...もっと読む

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