テレビの役割はどう変わったか
これまでは10年代のヒットチャートの変化について語ってきた。
「CDがたくさん売れていること」と「その曲が流行っていること」がイコールではなくなり、結果として「ヒット曲が見えなくなった時代」が訪れたことを分析した。
では、ヒット曲を生み出す大きな役割を担っていた地上波テレビというメディアは、この数年、どう変わったのか?
かつて80年代は『ザ・ベストテン』や『トップテン』が歌謡曲の時代を支え、90年代は『HEY!HEY!HEY!』や『うたばん』などの音楽番組が高視聴率を記録した。
しかし、それらの時代の「テレビと音楽の蜜月関係」はもはや成立していない。かつては無類の強さを誇った「月9」タイアップも効果は薄れてきている。
しかし、10年代に入って、テレビと音楽の間には新たな関係が生まれてきている。その背景には、スマホとSNSの普及によって、テレビというメディアが持つ役割が変わってきたことがある。ここでは、そのことを解き明かしたい。
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