カラオケから見える10年代の流行歌
現在、信頼できる指標はどこにあるのか? 筆者はカラオケのランキングに一つのヒントがあると考えている。実際に人々がその曲を歌った回数を並べたチャートだ。
株式会社エクシングは、同社が運営するカラオケ「JOUYSOUND」で歌唱された楽曲の回数に基づいて集計した年間ランキングを発表している。5年にわたってその総合ランキングTOP5を見ていくと、流行歌の真相が見えてくる。
1位となっているのは「ヘビーローテーション」「女々しくて」「Let It Go〜ありのままで〜」「ひまわりの約束」。オリコンともビルボードとも全く違う結果だ。
興味深いのは、AKB48の数々のヒット曲のうちでも「会いたかった」と「ヘビーローテーション」と「恋するフォーチュンクッキー」の3曲はカラオケでも上位にランクインしているということ。
どれも年間シングルランキングでは1位となっていない曲だが、AKB48に関して言えば、幅広い層まで広がった「本当のヒット曲」はこの3曲だったと言って差し支えないのではないだろうか。
一方、嵐の名前が見当たらないというのも興味深い。詳細なデータを見ても、嵐の楽曲はどの年でもTOP20圏外となっている。国民的アイドルグループとして君臨する嵐だが、その人気に比べると彼らの楽曲自体がカラオケで歌われているわけではない、ということがわかる。
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