50年前に生きづらかった女性から、今を生きる女性に贈る言葉

女性と結婚について、パリの人々にインタビューしに行く連載「パリジャン十色」。今回中村さんが出会ったのは、1960年代に20代だったという年配のマダム。今でこそ女性の権利が認められているフランスですが、50年前は違ったそうです。女性が生きやすい社会を実現するために戦った、パリジェンヌたちの言葉をお聞きください。

11月も終盤、デパートはクリスマス仕様のデコレーションで彩られ、今が一年のなかで一番華やいでいる時期です。週末になると、家族全員分のプレゼントを両手いっぱいにひっさげて歩く人を見かけるようになりました。一方、人ごみが苦手な私はというと、ショッピング街には近づかないようにしています。

さて、みなさんも2016年の終わりの気配を感じ、必要以上に急かされてしまっているかと思いますが、今週もパリジャン十色では、結婚や婚活の悩みについて考えていきます。

前回にひきつづき、「パートナーにはどんな人を選べばいいのか?」のヒントを探っていく今回のインタビュー。出会ったのは、恋の酸いも甘いも噛み分けた、年配のマダムでした。

1960年代を生きたマダム

美術館のカフェでゆっくりお話をしていた二人のマダム。

声をかけると、

「あら、ちょうど私たち、アムールについての話をしていたところだったんですよ」

と、まるで事前に待ち合わせをしていたかのような自然さで迎え入れてくれました。

そう答えてくれたのは、白髪のショートカットに、薄手のミントカラーのセーターが似合うシルビーさん。彼女は現在69歳。35年連れ添った男性と最近別れ、今はシングルだそうです。その男性との間に3人の子供がおり、長男は30代半ば、私と同じ世代です。長年教育の現場で仕事をされてきたそうで、細い背筋はピンとしているのに、こちらに緊張感を抱かせないゆっくりとした話し方をしてくれる方でした。いつまでも一緒にいたいと思わせる包容力が印象的です。

もう一人は、シルビーさんとそう年齢は変わらないように見えるラシダさん。シルビーさんとは対照的に早口で、思っていることを衝動的に話してくれるパッションの持ち主でした。くるくるしたパーマがチャームポイントで、シルバーで統一されたイヤリングやネックレスからは、彼女のこだわりが垣間見えます。既婚者で今も旦那さんと仲良く暮らしており、長いこと金融業界で管理職をしてきた元キャリアウーマン。彼女とその家族は北アフリカのアルジェリアからの移民だということです。

生涯連れ添ったパートナーを持つ (持った)経験があるお二人に 、「パートナーはどんな風に選べばよいのでしょうか?」と質問してみました。

ラシダ そうねぇ。相手を選ぶのにまず最初は見た目でしょうね。だからって、私はアラン・ドロンみたいなとんでもないハンサムな男性を夫に選んだってわけじゃないのよ。二人でお茶でもして、話をして、色々なことを一緒にシェアしていくうちに「楽しいなぁ」って思うようになって、ようやく恋に落ちたという具合かしらねぇ。

シルビー 私が彼と出会ったのは25歳の時でした。その頃までに私は他の男性との交際経験もあったので、その中でわかった、自分が「嫌だな」と思うものを持っていない人、という消去法でベストな人を選びました。
具体的に言うと、「母としてこうあるべき」「女としてこうあるべき」ということを求めてこない男性です。連れ添った35年間、結婚はしませんでしたし、彼の方からも一度も結婚をしようという話はなかったですね。

— どうして結婚を選ばなかったんですか?

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パリジャン十色

中村綾花

“花の都”と称され、雑誌やテレビでもその優雅なイメージが特集されることの多い、フランスの首都・パリ。パンやスイーツはおいしいし、ファッションは最先端だし、歴史ある建物たちも美しいし、住んでいる人もおしゃれな人ばかり……と思いきや、パリ...もっと読む

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sizukanarudon 中村綾花@ayakahan https://t.co/Wg3yalKLMg フランスでは日本以上にピルが浸透しています。 10代の女の子が母親同伴で婦人科に行き、ピルの処方をしてもらうというのも珍しいことではありません。 7ヶ月前 replyretweetfavorite

rain_drop_music 戦わんと得られへんもの、かぁ…。 自分のためやけど、未来の人間のためにも戦い続けなあかんことって、確かにあるかもな。 7ヶ月前 replyretweetfavorite

ayakahan いよいよ公開!|[今なら無料!]生粋の日本育ち女子がのぞいた、常識やぶりなパリジャンたちの素顔 7ヶ月前 replyretweetfavorite