昨年10月、料理レシピの共有サイト「クックパッド」が始めた新たなサービスが、注目を浴びつつあります。
サンケイリビング新聞社・ニフティ・三菱商事の3社が運営する、食品スーパーの特売チラシ配信サービス「シュフモ」というサービスがあります。このシュフモと連携してクックパッドが始めたのが、「特売情報」という新サービスです。
サービスの内容を簡単に説明すると、こんな感じです。まずクックパッドのユーザーが、自分の身近にあるスーパーをクックパッドに登録しておきます。そのうえでレシピを検索すると、表示されたレシピの食材リストの右側に「特売」というリンクが現れます。
このリンクをクリックすると、その食材を安く売っている身近な食品スーパーとその価格が表示されます。つまり、ユーザーの登録したスーパーがその日実施している特売商品と、検索したレシピの食材が一致していれば、その食材がどこのスーパーで特売商品になっているかが、一目で知ることができるのです。
逆に、自分が登録したスーパーのその日の特売情報を見ることもできます。スーパーを選んで特売品のリストを表示すると、右側に「レシピ」というリンクが現れます。ここをクリックすると、その食材を使ったクックパッドのレシピのリストがずらっと表示されます。レシピの上には「買い物メモ」というボタンもあり、ここをクリックすると、複数のレシピに必要な食材のうち、自宅に在庫のないものをチェックして、その日の買い物メモを作ることまでできてしまいます。
このコラムをお読みのビジネスパーソンの方には、「それってすごいことなの?」という感想を持たれるかもしれませんが、これはすごいことです(笑)。主婦にとって、このサービス体験はほとんど「革命」的です。
なぜかですって?
「夕食のメニューを何にするかで一日中悩みたくない、でも今メニューを決めてしまうと夕方に買い物に行ったスーパーで特売されている商品をみすみす買い逃して家計にダメージを与える、かと言ってスーパーの店頭で特売商品を見たうえでメニューを決めようとしたら、夕食に到底間に合わなくなってしまう、キィ——!!」
という、主婦にとっての毎日の最大の心労のタネが、これによって一瞬で解決されるのですから!
「特売情報」の真のインパクトは別のところにある
クックパッドの最近の成長戦略にはなかなか目を見張るものがありますが、この「特売情報」はその中でも特筆すべきものでしょう。
10月にリリースしてから5ヶ月で、クックパッドの業績への貢献も見えてきています。3月8日に発表された同社の2012年度第3四半期(11~2月)決算では、前年同期比で売上高が30%増、純利益が50%増と過去最高を記録し、プレミアム会員も90万人の大台に乗りました。