天才のつくり方

第19回】日本はジョン・レノンを目指せ!? 武力より影響力の時代

ビジネスの世界では、イノベーションを起こす「天才」たちが活躍しつつあると指摘する北川さん。その人たちがつぶされずに伸びるためには、ネットワークをつくることが鍵となります。そして、今後の日本のために茂木さんが提案した、ソクラテスやジョン・レノンのような国のあり方とは?

ネットワークで「変人」を守ろう

北川 日本の教育はまだまだだとしても、ビジネスにはイノベーションを起こす人が、ちらほら出てきていると思うんです。ソフトバンクの孫さんや、ファーストリテイリングの柳井さん、楽天の三木谷さんなどは、ドメスティックな文脈から抜け出していますよね。そういう方々が、ノンリニア(非線形的)なエフェクトを起こすためには、ネットワークをつくらなきゃダメだと思うんですよ。

茂木 そうかもしれない。意外とみんな孤立してるんだよね。

北川 1人で奮闘していると、やっぱり叩かれますからね。つながれば、つぶされずに、いいところを伸ばし合うことができるはず。じつは、灘校もそうなんですよ。あそこは、外部にいたらバカにされそうな変人がたくさんいるんですけど(笑)、その変わっている部分を「それめっちゃカッコいいね」って認め合うから、伸びていけるんです。

茂木 それは、いい環境だね。

北川 コミュニティの環境を整えて、イノベーションの核になる人たちを守っていけるといい。一気に変革するのは難しいですが、ステップを踏んでネットワークを構築していけば、徐々に日本も変わっていけるんじゃないかって。だから、みんなをつないであげることが、これからの仕事なのかもしれないと思うんです。

茂木 そうだね。1人、2人だったのが、4人、10人、とつながっていくと、どこかでぐわーっと流れができる。いまは、みんな疑心暗鬼で自分を守る方向にいきがちだけど、それをコラボレーションの方向に持っていくことが大事だね。

北川 明治期の文壇で、白樺派や耽美派など、さまざまな派閥ができていったのも、似たエフェクトなのかなと思うんです。同じような思想をもつ人たちが、自然発生的にあつまって高め合う。その仕組みを、今だったらネットの世界を利用するなどして構築していけばいいと思うんです。

茂木 イノベーションを起こすためには、やっぱりネットワークのなかにいろんなエスニックバックグラウンドの人を混ぜるべきだと思うな。暗黙知を共有する居心地のいいネットワークには、ならないかもしれないけど。

 

北川 それは絶対必要なことですね。少しくらい軋轢を生んでもいいと思います。

 それと少し関係した話なのですが、ブレインストーミング(ブレスト)って、「批判してはいけない」というルールを設けたりしますよね。じつは、批判的にやらなければ1人で考えてるほうがいいって言う研究結果もあるんですよ。同じような考えの人たちで「それいいね」って言ってるだけじゃ、いいアイデアは生まれない。みんなで批判的な意見を交わし合って、アイデアを練っていくほうがいいかたちになるんです。

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天才のつくり方

茂木健一郎 /北川拓也

日本経済が停滞して久しい。一方で、アメリカではIT産業の新しい成功モデルがどんどん生まれている。この違いはどこにあるのか。 ここで登場するのが2人の天才。高校卒業後、8年間ハーバード大学で活動している理論物理学者・北川拓也。一方、1...もっと読む

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コメント

tocci3 あら、面白そうな対談が。知らなかった。 「 約5年前 replyretweetfavorite

shinadama 「ネットワークで変人を守ろう」ってタイトルイイな~ 約5年前 replyretweetfavorite

gotoichi1003 ネットワークな社会だなと思います。知り合いの知り合いはみな知り合いなのだなぁ。当たり前か?苦笑。 約5年前 replyretweetfavorite

kotone_ryuka http://t.co/ZVgodpWz1v cakes 連載 : 天才のつくり方 / 茂木健一郎・北川拓也『日本はジョン・レノンを目指せ!?武力より影響力の時代』 変 人 は ネ ッ ト ワ ー ク で 守 り ま し ょ う ← とても重要だとおもう。 約5年前 replyretweetfavorite